※2017年3月13日更新
★移動を快適に。グリーン車活用法★
すいません、グリーン車の話を書き忘れていました。
グリーン車自体の解説は以前書いた通りです。
ここでは18きっぷの旅で、普通列車のグリーン車を利用する際の情報をまとめておこうと思います。
グリーン車を利用する際にグリーン料金が必要なのは、以前説明した通りです。
また、グリーン車には『グリーン車自由席』と『グリーン車指定席』の2種類があることも、時刻表の回で説明しました。
これら2種類のグリーン車のうち、「18きっぷ+グリーン料金」で乗れるのは、『グリーン車自由席』だけです。
『グリーン車指定席』には一切乗れません。どうしてもグリーン車指定席に乗りたい場合は、グリーン料金と一緒に乗車券も必要になります。
『普通車指定席』は「18きっぷ+指定席券」で乗れるのに、『グリーン車指定席』には18きっぷが一切通用しないのです。
とても紛らわしいですが、しっかり確認しましょう。
表で整理すると以下のようになります。
自由席 | 指定席 | |
---|---|---|
普通車 | 18きっぷ | 18きっぷ+指定席券 |
グリーン車 | 18きっぷ+グリーン券 | 乗車不可 |
例えば、瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」は一部列車を除き、1号車が2階建てになっています。
この1号車の2階はグリーン車指定席なので、18きっぷは一切通用しません。ところが1階は普通車指定席なので、「18きっぷ+指定席券」で乗ることができます。それ以外の平屋車両は普通車自由席なので、18きっぷだけで乗ることができます。
1本の普通列車に3つのグレードが存在するケースは極めて珍しく、慣れない18きっぷユーザーにとっては非常にややこしいです。
さて、普通列車のグリーン車自由席が走る区間というと、かなりエリアが限られてきます。…というか、ほぼ首都圏にしかないです。
東海道線、横須賀線、総武本線、宇都宮線(東北本線)、高崎線、湘南新宿ライン、常磐線を中心に、グリーン車のついた普通列車が運転されています。
列車によっては車内販売で飲み物や軽食を購入できたりと、普通車より格段に上質なサービスを利用することができます。
首都圏のグリーン料金は以下の通りです。キロ数は小数点以下を切り上げて計算します。
平日 | ホリデー (土休日・12月29日~1月3日) | |
50km以下 | 770円 | 570円 |
51km以上 | 980円 | 780円 |
この金額は、それぞれ乗車する前に駅で購入した場合の料金です。
乗ってから車内で購入する場合、この表に260円割り増しの料金となります。
なるべく事前に購入するようにしましょう。
※赤羽-横浜を通り抜ける場合、上野東京ラインと湘南新宿ラインの2通りのルートがありますが、料金は自動的に、距離の短い上野東京ライン経由で計算したものとなります。
この区間の両ルートの距離の差により、ごくまれに実際に乗るルートの距離よりも安い料金となる可能性がありますが、もちろんその料金でどちらのルートを利用しても構いません。
首都圏以外のグリーン料金は以下の通り。こちらは平日・土休日同額です。
※2017年現在、18きっぷで乗れる列車に存在しない区分は省略しています。
50km以下 | 770円 |
51km以上100km以下 | 980円 |
次に利用の流れを説明します。
1つ目。駅の券売機で、利用する区間を選んで購入し、グリーン券をゲットする方法。
このグリーン券を持ってグリーン車に乗り込み、車内でアテンダントのチェックを受けます。
2つ目。これは首都圏のグリーン車限定になります。
Suica・PASMO・Kitaca・TOICAのどれかを持っている方は、同じように券売機でグリーン料金を支払う際に、これらのカードに「グリーン車を利用する情報」を書き込むことができます。18きっぷ使用中でも、これらのカードでグリーン料金を支払うことができます。
相互利用とは関係なく、この4種以外のICカードは使えません。これは、上記4種でグリーン料金の情報を書き込む容量のある部分が、これ以外のカードでは別のサービスのデータを書き込む部分に割り当てられているためです。
ICカードにデータを書き込んだら、グリーン車に乗り込み、座席の頭上のセンサーにカードをタッチしてください。緑色のランプが点灯します。
アテンダントのチェックはこのランプによって、声を掛けられることなく行われます。便利で気楽ですね。
ただし、東海道線の熱海-沼津は、ICグリーン券に対応していません。
函南・三島・沼津の各駅で乗り降りする場合は、紙のグリーン券を購入するようにしてください。
3つ目。特例として特急に乗れる宮崎-宮崎空港でのグリーン車の利用法です。
この区間ではグリーン車も自由席になり、18きっぷ+グリーン料金で利用可能です。
この区間のグリーン券は、駅で事前購入することができません。
18きっぷだけ持ってグリーン車に乗り込み、車内で車掌さんにグリーン料金を支払って利用してください。
ここからは18きっぷとは直接関係ない話ですが、一応グリーン車のルールについて書いておきます。
首都圏でのグリーン料金は、2本以上の列車を乗り継ぐ場合でも、路線の向き的に同じ方向に向かう場合は1枚分の料金で利用できます。

例えば、「熱海から東海道線のグリーン車に乗り、戸塚で横須賀線(総武快速線直通)のグリーン車に乗り換えて千葉へ向かう」場合。
これは路線図を見れば分かる通り、同じ方向に向かっているので、1枚分の料金で利用できるわけです。
また、特に別の路線に乗り換える場合ではなくても、例えば1本後の列車に乗り移ったりするのもOKです。
逆戻りしない限りは、乗ったり降りたりを何度繰り返しても構いません。
ただし駅の改札を出た場合は、その時点で無効になるので注意。
逆に、Vの字になったり、グリーン車のない区間を挟んだりすると、グリーン料金は降りた時点で打ち切りとなり、2本目の分は別に支払わなければなりません。
例えば「宇都宮から宇都宮線のグリーン車に乗り、大宮で高崎線のグリーン車に乗り換えて高崎へ向かう」場合。
これは路線図の通り、Vの字になってしまうので、大宮で一旦打ち切りとなります。高崎線の分は買い直さなければなりません。
あるいは、「池袋から湘南新宿ラインのグリーン車で大崎に来て、山手線で品川に向かい、東海道線のグリーン車で川崎に行く」場合。
これは大崎-品川でグリーン車を利用できないため、グリーン料金は大崎で降りた時点で打ち切りになります。品川-川崎の分は買い直さなければなりません。
なお、「Vの字は打ち切り」という原則には例外が1つだけあります。
東海道線熱海方向⇔大船⇔横須賀線久里浜方向の場合だけは、Vの字なのに特別に通しで計算ができることになっています。
首都圏以外で乗れるグリーン車自由席は、ほとんど特急用の車両がたまたま普通列車になっているだけとか、そんなもんです。狙わないと乗れないレベル。
篠ノ井線の快速で1日1往復とか、宮崎空港線の短~い特例区間とか。
要するに、この手の車両は普通車でもリクライニングするし、わざわざ何百円も出してグリーン車に乗る価値は見出せないかもしれないということです。
それでも「ネタとして楽しみたい」という方はぜひ乗ってみてください。
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