
一通り足湯を楽しんだ後は、3番線に停車している544Mに乗り込みます。
旅のメインディッシュを飾るにふさわしい、究極の一本線、飯田線(辰野-豊橋)でございます。
ついに挑むときが来ましたよ。まぁいつでも良かったんですけど。
これから乗り込む544M、普通 豊橋行きの基本情報を説明します。
長野県諏訪市にある上諏訪駅を出発し、岡谷から中央本線辰野支線を走り、辰野から飯田線に入って、そのまま飯田線全区間をほぼ各駅停車で走り抜き、愛知県豊橋市の豊橋駅へと向かう列車です。
落ち着いて聞いてください。
上諏訪、9:19発。
豊橋、16:16着。
所要時間6時間57分!ほぼ7時間、一切乗り換え無しです。
この終点までの所要時間は、きちんと調べてはいないものの、おそらく全国でもトップ5には入るのではないかと思います。
停車駅:下諏訪-岡谷-川岸-辰野-宮木-伊那新町-羽場-沢-伊那松島-木ノ下-北殿-田畑-伊那北-伊那市-下島-沢渡-赤木-宮田-大田切-駒ケ根-小町屋-伊那福岡-田切-飯島-伊那本郷-七久保-高遠原-伊那田島-上片桐-伊那大島-山吹-下平-市田-下市田-元善光寺-伊那上郷-桜町-飯田-切石-鼎-下山村-伊那八幡-毛賀-駄科-時又-川路-天竜峡-千代-金野-唐笠-門島-田本-温田-為栗-平岡-鶯巣-伊那小沢-中井侍-小和田-大嵐-水窪-向市場-城西-相月-佐久間-中部天竜-下川合-早瀬-浦川-上市場-出馬-東栄-池場-三河川合-柿平-三河槙原-湯谷温泉-三河大野-本長篠-長篠城-鳥居-大海-三河東郷-茶臼山-東新町-新城-野田城-東上-江島-長山-三河一宮-豊川-牛久保-小坂井-豊橋
停車駅数は実に95駅(スタートの上諏訪含まず)に上ります。誤植や抜けがあるとしてもこれは気付けません。

ジグザグの線上に駅がぎっしり詰まるさまは、JR東海の路線図でもまさに圧倒的な存在感を示しています。
さらに、飯田線区間内で、途中で折れることができるのは、名鉄豊川線(豊川稲荷駅)に乗り換えられる豊川だけです。JR線の接続は両端以外全くありません。
つまり、途中で嫌になろうが何だろうが、ひたすら耐えて乗り続けるか、ひたすら元の道を逆戻りするかの2択しかないのです。
どれだけ鉄道が好きであろうと、絶対に生半可な気持ちで挑んではいけない。それが飯田線なのです。


この日の充当車両は、もはやどこでも見かける313系ですので、居住性としては快適そのものなのが救いです。
車両はJR東海の313系ですが、辰野まではJR東日本の管轄なので、わずかな区間ながらJR東日本の乗務員さんが乗務します。
辰野から中央本線を離れて飯田線に入り、いよいよ覚悟を新たにします(

秘境駅ブームで注目を集める飯田線ですが、序盤はよくある田園風景が続き、定期的に住宅地に入るというのを繰り返します。ただ駅間距離はのっけから相当短い。
写真で横を流れているのは天竜川です。
さて突然ですが、これは乗車開始から約1時間20分後。沢渡-赤木の車窓を撮影した動画です。
特に意識せずに観ると、何を主張したい動画なのかまるで分からない、何の変哲もない1区間です。
がしかし。実はこの区間、今のところJR最急勾配区間なのです!
(゜Д゜)ハァ?
にわかには信じられませんが、現在JR線で最も急な勾配は、スイッチバックの豊肥本線でも肥薩線でもなく、ここ飯田線の、しかもこんな開けた区間にあるのです。
開けた区間ということは、別に山越えをするわけでも何でもなく、実態はちょっとした丘へ登るための、ほんの一瞬の坂にすぎません。しかし、ここが正真正銘のJR最急勾配。
上の動画で言うと、1分28秒頃、走行音が下がり始めるあたりから、1分39秒頃通過する踏切まで。ここが40‰です。10秒でおしまいw
座っていると、「若干斜め後ろに押し当てられるような感覚を覚えたような気もする」という程度で、いやーこれもっと急なとこあるんじゃないのか?と思ってしまうような、正直地味な勾配でした。


しばらくの間、概ね車窓右側かなり近い位置に中央アルプス、左側やや遠くに南アルプスを眺めることができます。
どちらも雪化粧した山容は鮮やかで、どちら側に陣取っても十分楽しめると思います。


伊那福岡-田切にあった急カーブです。
その曲がりっぷりは凄まじく、曲がる先の線路がしっかり見えるほどです。特に上の写真は並行する別路線だと言われても疑わないでしょう。

線路はどこまでもぐねぐね、ぐねぐね。時折さっと開ける車窓。
大きく開けた平地の中に天竜川が横たわる、雄大な風景に目を見張ります。飯田線北半分のハイライトとも言える車窓です。

乗車時間が3時間に近づき、ちょうど正午を回る頃、沿線の主要都市、飯田市中心部の外周をぐるりと迂回し、イオンの存在感を認識させながら、列車はやがて飯田に到着し、14分停車します。
列車が休憩するのに合わせ、私も休憩。ここで駅弁タイムといきましょう。

上諏訪駅で購入した「小さな信濃路」です。630円(いよいよ消費税上がりますなぁ)とお安い。

中身ドン。
カロリー低そうですねw オーソドックスな幕の内弁当を、信州ならではの味にアレンジしてみました、という感覚で美味しくいただけました。
このご飯が季節によって変わるらしく、春バージョンは筍ご飯です。しっかりと味のついたご飯は上品な旨みがあって冷めても美味しく、十分に食欲を満たしてくれました。おかずも種類が豊富で楽しめましたね。
次回は飯田線の後半戦。いよいよ秘境区間に入ります。
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