新花塩駅北口ぶらりお散歩案内所!

鉄道乗りつぶしや聖地巡礼(アニメ舞台探訪)をライトに楽しむ、うるっちのブログです。

以下、名物の「下山ダッシュ」を解説だけしておきます。私は今回はやってません

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飯田を出て3つ目の下山村は、一部の界隈では有名な駅です。
駅自体が名物というよりも、あるエクストリームスポーツの開催地として。

それは、俗に「下山ダッシュ」と呼ばれる競技。
内容はシンプルで、列車を降りていくつか先の駅までダッシュし、元の列車を再びつかまえて乗車する、というもの。
具体的には、約5駅ほど。

そんなことができるのか?と。それを可能にする条件が揃っているのが、飯田線のこの区間なんですね。


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飯田市付近において、飯田線は「ω」の字を描いて、市街地の外周をぐるっと迂回する線形をとります。
この「ω」の両端が下山村駅と伊那上郷駅にあたるわけですが、これを列車でたどると6.4kmあります。
ちなみに中央新幹線(リニア)の駅は伊那上郷と元善光寺の中間ぐらいに出来るらしいですよ。

ならば、もし両端をショートカットで結んだらどうなるか。
なんと、わずか2km程度になるのです。

ここで疑問が生じます。
すなわち、「列車に乗って6.4kmをぐるっとたどるのと、ショートカットの2kmを自分の足で走るのとでは、どちらが早いのか?」という問題。


この区間で長時間停車をしない列車は、下山村-伊那上郷を15分程度かけて走ります。
したがって、辰野方面行きの列車を下山村で降りた人が、伊那上郷で元の列車をつかまえるために要求される平均速度はおよそ8km/hとなります。

そう、数字の上ではまんざら不可能でもなさそうでしょ?ということで、これを実際にやってやろうというのが「下山ダッシュ」なのです。
ただ、一筋縄ではいきません。

壁その1。地図の通り、この2駅の間にははっきりした一本道がありません。何度も曲がる場所があり、未経験の場合は相当分かりにくいらしいです。
壁その2。段丘の関係で、標高差が約70mあります。下山村→伊那上郷の方向が登りになります。
壁その3。順当なルートの場合、途中に信号が3ヶ所ほどあります。引っかかるとかなりのタイムロスでしょうね。


元々は地元の高校生が遅刻を回避するためにたまたま発見した技、という説がありますが定かではありません。
20年ほど前、とあるアニメ作品でネタにされたことがきっかけで有名になり、挑戦者が続出するようになったとのこと。

もし挑みたいと思った方がいたならば、くれぐれも交通ルールを遵守した上で、安全第一で挑戦してください。


余談。平均速度8km/hが要求されると書きましたが、この競技には「イージーモード」が存在します。

というのが、いくつかの列車は、間にある飯田駅でしばらく停車するのです。
今回私が乗っている列車も、飯田で14分停車する列車です。結果、伊那上郷-下山村に28分かかっており、もしこの列車でチャレンジした場合、平均速度5km/h弱で間に合う計算になります。

歩くとわずかに間に合わなさそうですが、健脚な成人で、かつ道を間違えなければほぼ確実に勝てるはずです。
「遅れると帰れなくなる」など、どうしても負けられない事情があるが、競技はやりたい、という方は、こういう列車を選ぶことをおすすめします。

やってもいない下山ダッシュの解説で結構な分量を食ってしまった。


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飯田から30分弱で、名勝・天竜峡への入口、天竜峡駅に到着しました。
上諏訪出発からは3時間半経過したので、ここでちょうど半分ですね。一度も降りてませんよ(


飯田線は区間によって多種多様な車窓を持つ路線ですが、中でも特に絶景とされている区間はここから先、天竜峡-中部天竜になります。
実際、「秘境駅」として紹介される駅がだいたいこの区間に集中していることからも分かるように、とにかく山深くなる区間であり、列車の本数も大きく減ります。

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これが「駅前」だと誰が思うでしょうか。
撮影時刻を見るに、おそらく田本駅から見える風景です。ホームはこの反対側に張り付いています。


秘境区間の中でも個人的に一番のポイントがこちら。

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為栗-平岡にて、天竜川が川幅を大きく広げ、山の合間をゆったり流れる光景。

身も蓋もない話、川幅が広いのは平岡ダムができたことによる人為的なものだったりするのですが、それを差し引いても、視界が大きく開けた先に、まさに竜のように蛇行するのように行する…?)天竜川の姿が手に取るように分かる光景は壮観でございます。


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緑の中に鮮やかに映える桜。撮影を失敗したのが悔やまれる…。伊那小沢にて。


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小和田駅。長野県・静岡県・愛知県の3県の境界が集まる点がすぐ近くにある駅です。

皇太子妃雅子殿下の旧姓と漢字が同じ(読みは違います)ということで、一時期ブームになったようです。
現在は駅自体のロケーションに価値が認められ、再び人気を集めています。いつかは降り立ってみたいものです。


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秘境区間の中にあって、時々このようにまとまった集落が現れたりすると、ものすごく大きな町に見えてしまいますw
ちなみに、この辺りの住所は「静岡県浜松市天竜区」です。って政令指定都市…!


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秘境区間最後の見所としては、水力発電を行う佐久間発電所の放水口があります。
技術力をかき集めて建設された発電所の、放水口という爪の先でしかないものなのに、山の中で異様な存在感を放ちます。
佐久間は大型の水力発電施設の先駆けとなった存在であり、エコロジーとは何か的なことを一人考え込んでしまいそうな光景でした。


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飯田線が大嵐から、あからさまに不自然な一直線のトンネルで迂回ルートを取っているのは、佐久間ダムの建設によって旧線が水没することになり、その部分を山の向こうの集落沿いに付け替えたからなんですね。

ところで近い将来、吾妻線が同じ運命をたどります。すでに新川原湯温泉駅(仮称)をはじめ、新線はほとんど完成しているそうで、今年の秋には線路が切り替わる予定とのことです。


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14:08。天竜峡から約1時間20分、秘境を堪能し、中部天竜駅に到着しました。上諏訪出発から4時間50分が経過しています。まだあと2時間かかります。
この「中部」は中部地方のことではなく、「中部なかっぺ」という近くの地名に由来するものであり、当初は駅名も「なかっぺてんりゅう」と読んでいたそうですが、のちに「ちゅうぶてんりゅう」に変えられた経緯があるようです。

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2009年に閉館した佐久間レールパーク跡が見えます。色あせたイラストがちょっと哀愁を誘いますね。

駅構内のちょっとした施設だと侮るなかれ、かつてはJR東海版鉄道の博物館と言えばここだったんです。
名古屋のリニア・鉄道館に保存してある車両の一部は、ここから持ってきたものだったりするみたいですよ。


次回ぐらいで最後かな。豊橋まで走り抜けます。
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