今回は乗り鉄だけではなく、割と観光成分多めだと思います。やっぱそれでこそ旅ですよ。
関東の私鉄ってフリータイプの企画乗車券が少なくて、関東に住んでいてもなかなか乗りつぶしも進めづらい面があります。京成なんか未だにほぼ丸々残ってるし。

今回の日帰り旅に使用するのは、「江の島・鎌倉フリーパス」でございます。
小田急から発売されている乗車券で、内容は以下の通り。
- 発駅⇔藤沢の往復
- 江ノ島線藤沢-片瀬江ノ島、および江ノ島電鉄線藤沢-鎌倉(全線)乗り降り自由
これで新宿発で1,470円。新宿⇔片瀬江ノ島の単純往復でも、普通運賃(切符)は1,260円になりますから、普通のペースで観光していけば容易に元が取れます。
なお他社線との連絡タイプとして、西武(西武新宿/新宿接続 または 池袋経由〈池袋-新宿は自腹〉新宿接続)・東急田園都市線(中央林間接続)・相鉄(大和接続)でも発売されていますので、利用スタイルに合わせてどうぞ。
私ですか?私だっていくら乗り鉄と言っても普通に観光したいんですよ。ただちょっと朝が早くないといけないってだけです。

朝の5時半。閑散とした新宿駅にやってまいりましたよ。

乗車するのは5:31発の急行 小田原行きです。1日の1本目の急行ですね。
邪魔のほとんど入らない早朝の複々線を快調に飛ばした後、登戸付近から雰囲気がガラッと変わる様子を楽しみつつ、約40分で相模大野に到着です。


ここで相模大野始発の急行 藤沢行きに乗り継ぎます。
余談。乗り鉄の記録上、小田原線と江ノ島線の分岐点は相模大野駅ではなく、0.2km小田原寄りの「相模大野分岐点」とみなし、この0.2km分は小田原線のみの区間とするのがお約束になっています。
乗り鉄でなくても、運賃計算上も相模大野分岐点は必要なポイントで、小田原線と江ノ島線をVの字で乗り継ぐ場合は、相模大野分岐点を使って計算します。
かつて相模大野駅はこの分岐点の位置にあったのですが、移転した後で相模大野駅の営業キロが0.2km新宿寄りに移動したことにより、今のような扱いが発生しました。

さて、相模大野から20分強で藤沢に到着しました。
ここからが乗り鉄本番です。

メインディッシュは「江ノ電」こと、江ノ島電鉄線でござい。
言わずもがな、路線自体が江の島を代表する観光資源の一つとして有名であり、また江の島観光の足として欠かせない存在であります。
ところで、このブログ「江の島」と「江ノ島」が混在してるじゃねーか、というお叱りを受けそうなので、あらかじめ弁解しておきます。
これは適当に変換しているわけではなく、自分なりに書き分けているつもりなんです。
というのが、現在では、正式な行政地名としては「江の島」と、ひらがなの「の」で書くことになっているのです。
1966年までは、住所としては「江之島」(実質「ノ」寄りですな)が使われていたようですが、藤沢市はこれを「江の島」に変更し、その後も観光協会などから、「江の島」で統一しようという動きが見られました。
したがって、「ブログやら何やらを書くときに、どっちかに揃えたいけど別にこだわりはない」、というのであれば「江の島」で揃えることを提案します。
ただし、住居表示が実施された1960年代後半よりも前からある施設名や駅名などは、「江ノ島」の表記を引き続き使っているものも多いです。
駅名で見ると、「えのしま」が含まれる3駅のうち、江ノ島電鉄と小田急はそれぞれ「江ノ島」「片瀬江ノ島」でカタカナ、湘南モノレールは「湘南江の島」でひらがなを使っています。
この違いが現れている理由は明確で、湘南モノレールが湘南江の島まで延伸開業したのは1971年のことであり、「江の島」統一運動(?)の直後のことでした。
ここでわざわざ「江ノ島」表記を採用する理由はなく、自然に「江の島」を使うことが決まったわけです。
一方、残りの2駅は1929年という、まだ「江ノ島」表記が支配的だった頃に名づけられたため、カタカナ表記となっています。
まとめると、地名としては現在は「江の島」が正式ですが、慣習的に「江ノ島」と書いても何ら間違いではありません。
「新江ノ島水族館」や「江ノ電」など、有名な観光資源にカタカナ表記が多く存在し、よく目にすることから、人々の間で「江ノ島」表記がまだまだ生き残っているのだと考えられます。

話を江ノ電に戻します。
江ノ電は藤沢から、海沿いの江ノ島を経由して鎌倉までを結ぶ、営業キロでジャスト10.0kmの路線です。

全線単線という制約がありながら、交換駅や信号場をフルに使った、一糸乱れぬ12分間隔の美しいダイヤで走る様子は見ものです。

あいにくの天気ですが、まずはトコトコと江ノ島まで向かいます。
藤沢を7時前に出る電車でしたが、2両編成の車内は地元の高校生でいっぱいでした。
早朝とは思えない賑わいに圧倒されながらも、少しずつ進みます。

ということで、江ノ島に到着しました。

江の島観光の玄関口ですね。どことなくログハウス風の駅舎は、1991年に建てられたものだそうです。
ひとまず江の島の海を見てのんびりしましょう。続きは次回。
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