朝の7:30頃、宿に程近い羽黒山公園の丘に登ると、石巻の街並みが木々の隙間から見えました。

写真の中央やや下には、国道398号沿いのアーケードが見えます。
やや左手の道路をまっすぐ進んだところが石巻駅ですね。月曜の朝の目覚めを迎える街に、気分も晴れやかです。

何と言っても石巻と言えば、かの石ノ森章太郎先生ゆかりの地でございます。
ポストにも仮面ライダーがいたり、街の至る所に、「仮面ライダー」や「サイボーグ009」のキャラクターをあしらった像が見られ、ファンにとっては歩いていてたまらない街だと思います。

街は確実に活気を取り戻しつつある一方で、あの日の爪痕は3年経った今でも各所に残されたままです。
海の方に歩いていくほどに、津波にさらわれてしまった姿が露わになっていきます。


かつて住む人の息遣いに満ちていたはずの、雑草で埋め尽くされた空き地を見るたびに心が痛みます。
ただ、日常を尊ぶことは何よりも大切だ、ということを教えられる思いがしました。
再訪を誓って、石巻を後にします。


さて、この日の移動は石巻線からスタートです。
石巻線は小牛田-女川を結ぶ、営業キロ44.9kmの路線です。こちらも東日本大震災で甚大な被害を受けた路線です。
2013年3月16日までに浦宿までが復旧しており、残る浦宿-女川1駅間の復旧が待たれます。

8:17発の小牛田行きに乗車し、内陸へ戻っていきます。
今回乗ったのはノーマルなキハ40でしたが、以前から仙石線205系でおなじみだった「マンガッタンライナー」の石巻線バージョンが2013年から運行されていて、乗る楽しみが増えました。


石巻-小牛田では極めて平坦な地形を走ります。稲穂色の広々とした車窓を楽しむことができます。
余談なんですが、連結部の運転台に女子高生が座っていて驚きましたw
通りかかった乗務員さんが何も言わなかったところを見るに、日常の光景なのでしょうか。

40分ほどで、小牛田に到着しました。4方向に路線が延びるジャンクションです。
東北本線も上下線ともにかなりの列車がここを終点としていて、昔から交通の要衝として知られる駅です。が、初見では難読かもしれません。「午」ではなく「牛」なんですよね。

東北本線にはもちろん乗車済みなので、今回はさらに内陸を目指すべく、陸羽東線に乗り換えます。
9:06発の新庄行き。

分岐点、もちろんしっかり見てますよ~。

小牛田から3駅で古川です。東北新幹線と乗り換えができ、一定数の乗客が入れ替わります。東京からだとこの駅を軸に温泉郷を目指す人が多いでしょうね。
ちなみに、この1つ手前に「陸前谷地」という駅があります。先ほどの石巻線には「前谷地」があり、ちょっと面白い。

さぁ、それらしくなってまいりました!2両のワンマン列車なので、後ろは邪魔にならずゆっくり見ることができます。
写真には西大崎駅が映っています。こういう車窓こそ、ローカル線に乗る喜びをかみしめられる瞬間かもしれません。

ワンマン列車の利用方法を解説した、独特の掲示です。

「ワョ!」がツボ。
車窓は次第に山深くなり、日本の背骨たる奥羽山脈に向かっていることを実感します。

やがて江合川が車窓の主役となる頃、沿線には温泉街が広がってきました。
何しろ陸羽東線が「奥の細道湯けむりライン」という愛称を持つだけあって、名湯、名湯、目白押しなのです。うーん、1駅1駅降りていきたいくらい。

10:02。いよいよこの日のメインディッシュ、鳴子温泉に到着しました!
次回、いざ名湯をぶらり。
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