
大きな注目を集めていたのはやはり「北越」です。
日本海の大動脈を46年間走り続けた、誰もが認める名特急がとうとう別れを告げようとしている姿は、特に地元の方はもちろん、長年勇姿を見続けてきた人々には一際思うところがあるのではないでしょうか。
「北越」の廃止により、485系が定期運用に就く特急はついに「白鳥」だけとなります。

おなじく廃止となる「はくたか」。
在来線での160km/h運転を日本で初めて実現し、特急の可能性を教えてくれました。


北陸新幹線の列車名公募でも「はくたか」が圧倒的な人気を集め、見事採用されたのは、北陸の先鋭として走ってきたこの列車に、大きな魅力を感じる人が多かったことの表れだと思います。その功績に拍手。

12:08発の富山行きに乗り込み、北陸本線へと入ります。ここからJR西日本の管轄に変わります。
なお、3月14日以降、えちごトキめき鉄道日本海ひすいライン(なげーよ!!)に変わると、この区間の列車はごく一部の乗り入れ列車を除いて、気動車での運転となります。肥薩おれんじ鉄道と同じ感じですね。
この区間で電車に乗ることができるのも今のうちですので、乗り納め推奨。
ところで、車窓から途中の各駅を眺めていて、ちょっと気になったことが一つ。

途中駅の駅名標の多くが、JR西日本のロゴをシールで隠した状態にされていたことです。
ということは、一部の駅では三セク移管後も、この駅名標を使い続けるということなのでしょうか?
確かに示す情報に変化はありませんし、全部取り換える必要はないかもしれませんが、この荒療治はちょっとかわいそう…。

さすがに糸魚川のような主要駅では、新しい駅名標の準備がなされていました。移管までの間は、JR西日本仕様のボードを上から貼ってあります。
この付近で、しばらく北陸新幹線の高架と並走します。

糸魚川を出てすぐに越える姫川橋梁は、壁が波打つユニークな形状をしています。
外から見ていても単調で無機質になりがちな新幹線の高架に、美しさを添える素敵な橋ですね。
魚の背びれに例えて「フィンバック橋」と呼ばれるこの形状には、ちゃんと実用的な意味があって、橋桁を支えるケーブルがこの中に埋め込まれているそうです。

13:09、親不知で降りてみました。
18きっぷで乗れるうちに、降りる駅を1駅選ぼうと思って、いろいろ調べているうちに「これは!」と思った駅です。
特筆すべきは、駅周辺のロケーションです。


駅のすぐそばがもう海…というところまでなら、結構よくあるんですが、その奥に幹線道路が何本も、海の上を走っているのです。
駅から出たところがすぐ崖のようになっています。
同じくこの駅を訪れていた方に「あれ見てください」と言われ、見てみた先に…。

サル!しかも、いっぱいいました。
探索すればするほど、ユニークな駅であることが分かってきましたw
さて、親不知駅を出て右へ15分ほど歩いていったところに、親不知ピアパークという道の駅があります。

この施設から、海へ飛び出した幹線道路の様子を眺めることができました。北陸自動車道と国道8号です。
要は、この地域では北アルプスが本当に海ギリギリまで迫っており、浸食によって断崖が生まれたわけです。

何しろ平地が全くないので、もう道路は海の上に造るしかないと。結果、このユニークな光景が誕生したようです。


そんな難所を、「はくたか」が駆け抜けていきました。
構図も何も練っていないながら、ラストランまで使命を全うせんとする勇姿を1枚写真に収めることができ、いい思い出になりました。




14:07発の富山行きで、移動を再開しましょう。

親不知と同じように海に臨む、市振までが新潟県の駅です。
3月14日以降は、この駅までがえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインとなり、ここから先があいの風とやま鉄道線となります。
しかし、市振は拠点駅とするにはあまりにも中途半端(失礼)ということで、この駅での折り返しは行わず、あいの風とやま鉄道線の列車との接続は、もう2駅先の泊で行われることが決定しています。
泊をまたいで利用する人にとっては乗り換えの手間が増える反面、需要に応じた本数の適正化が図れるというメリットはあるかもしれません。
これで妙高高原-直江津(2009年8月1日既乗)と合わせ、えちごトキめき鉄道に移管される区間は乗り終えましたので、私の乗りつぶしルールに則り、えちごトキめき鉄道は3月14日になった瞬間「全線完乗」とみなします。

15:10、終点の富山に到着しました。
2012年12月の旅と合わせて、これで北陸本線もコンプリートです。特急街道の縮小前に達成することができ、乗り鉄としては満足。
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