

福井鉄道の越前武生駅から、アル・プラザの軒下を進み、JR武生駅から再び北陸本線に乗ります。
北陸トンネルを越える前後の車窓には、再び雪が復活していました。

16:00に敦賀に着きました。

待ち時間に「しらさぎ」を撮るなど。

16:23発、新快速 網干行き(湖西線経由)に乗り換えます。湖西線経由の新快速は1日でこれが最後で、この後の新快速は全て琵琶湖線経由になります。
この辺りもつくづく18きっぱー泣かせの区間ですね。何かどの方向にも行きにくい難所です。
湖西線は、とにかく「関西と北陸のショートカット」というのを最重要視して建設された路線なのは有名です。

「そうは言っても」と言いたくなるぐらい、途中駅がどこも極めて無機質に造られているのが、建設時期を物語っているというか。
もし平成になってから造られていたとしたら、もっと木材とかたっぷり使われていたでしょうね。

北陸本線経由ではほぼ全く琵琶湖が見えないのとは対照的に、湖西線の車窓では琵琶湖が主役そのものですね。

それにしてもここまで広大な湖が県の、そして列島の真ん中にあるとは。考えれば考えるほど不思議な存在に思えてきますなぁ。

琵琶湖線と合流し、山科付近ではちょうど京阪京津線を快走する800系を見ることができました。
乗っている新快速は琵琶湖線の遅れに影響され、3分前後の微妙な遅れが出てきました。
18:00頃、京都に到着!
関西に来るのは久々ですね。それこそ2年前の春以来でしょうか?

最近の関西ネタとしてはこんなやつが。
関西のJR路線網ではつい最近、「ラインコード」が導入され始めました。公式に言うところの「路線記号」。
海外の地下鉄について調べていると、「1号線」だとか「A線」のように、どんな言語の話者でも分かるシンプルな路線名が与えられているケースが結構あります。
国内を見てみると、「Marunouchi Line」だから「M」とか、「Fukutoshin Line」だから「F」とか、路線名からとった文字を駅ナンバリングの接頭記号とする例がほとんどだったのですが、これをもっと抽象化して、各路線にただただ機械的に「A」、「B」…と振っていき、より言語への依存性を和らげたのが、今回JR西日本によって導入されたラインコードでございます。
法則はこうです。
このエリアで最も重要な背骨となる、琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線(+赤穂線)が「A」です。
それと大阪環状線に、輪っかというのが直感的に分かる「O」を充てます。この2路線が全ての基準。
あとは原則として、A線・O線それぞれから、概ね北または東の駅で分岐する路線からアルファベット順に振っていきます。
近江塩津からの湖西線が「B」、草津からの草津線が「C」、京都からの奈良線が「D」…という感じ。
おおさか東線は今のところA線とつながっていませんが、新大阪延伸を見越して「F」とされました。
なお、同時に広島地区でもラインコードが導入され始めました。
こちらはラインカラーを設定した上で、色名の頭文字をとっています。例えば山陽本線はRedの「R」。
ただ駅のナンバリングにしろ、こういうラインコードにしろ、鉄道会社が単独で頑張るだけではあんまり意味がないというのが私の持論です。
例えば旅行雑誌などが積極的に、お店を紹介する記事の「アクセス」の欄に駅ナンバリングを併記してあげるなど、むしろ鉄道会社の外で使われて初めて意味を持つものだと思います。
編集する人がそこら辺を意識して書いてくれるようになると、こうした案内は強力な意味を持ってくるはずです。
というわけで、まだまだ乗りますよ~。日が暮れてるのも気にしない。

D線こと奈良線を、今回ついに重すぎた腰を上げて全線乗りつぶすことにしました。


18:06発の快速 奈良行きです。
奈良線では、無冠詞の「快速」はラッシュの時間帯に走り、日中はもう1つ上位の「みやこ路快速」が走ります。快速は宇治-城陽の各駅に停まる、JR九州で言う2014年までの旧・準快速に似た種別です。
この下位に区間快速(宇治-奈良の各駅に停車)もあります。かなりの区間が単線である路線にしては、種別が豊富ですね。
そんなわけで、車内は帰路へ向かう通勤客でなかなかの混雑。
日が暮れたため車窓ももうほとんど見えず、木幡通過時に京アニ本社の灯りを確認するのが精いっぱいでしたw


18:49、木津に到着しました。
京都府木津川市にある駅ですが、正式名称としての「奈良線」はここまでで終わりです。
つまり、奈良線は奈良駅に達しないどころか、奈良市、いや奈良県を全く通らないのです。
そんなことがあっていいのか。いいんです。
元々はちゃんと奈良までが1本の路線だったのが、国有化前の会社合併の際、のちの関西本線に木津-奈良が吸収された名残なのです。
夜もどんどん更けていくというのに、宿のある京都からずんずん離れていく私。何をやっているんだ。
木津からは学研都市線に乗ります。

18:56発、JR東西線・JR宝塚線直通の快速 新三田行き。A線ばかり乗っていると気づけない、隠れた都心横断列車の一つと呼べるかも。
学研都市線は正式には「片町線」という路線名を持っています。
「片町」とは、かつて京橋の隣にあった、片町線のターミナル駅の名前です。と言っても、晩年は南海電車の汐見橋的な、都心に取り残されたようなローカル駅だったそうです。
まだ片町駅が存在していた1988年から、JR西日本は「学研都市線」の愛称での案内を開始しました。
1997年にJR東西線が開業し、学研都市線との直通運転が始まるのと引き換えに、片町駅は廃止されました。
「学研都市線」という愛称を使った案内の徹底ぶりも手伝って、今や「片町」という名前は幻となった感じさえします(行政地名としては現存)。
平面の地図を眺めていると、学研都市線の線形は驚くほど不可思議なものに見えてしまうかもしれません。少なくとも、奈良周辺から大阪へ抜けるルートとしては、第1候補にはまずならなさそうなルートです。
しかし、この辺りの地形を知っていれば、こうなる理由はすんなり理解できます。埋め込んであるGoogleマップを航空写真に切り替えれば一目瞭然です。
はい、生駒山地の北端をぐるりと迂回しているわけですね。
ルーツとしては四条畷への参詣輸送に始まる路線だそうで、関西鉄道に吸収され、その背骨が関西本線となった時点で、阪奈間のメインルートにはなり得なかったようです。
そんなわけで、今でこそ目覚ましい発展を遂げている学研都市線も、木津寄りにはまだまだローカルな雰囲気が残っているみたいですね。私が乗った電車も乗客が非常に少なく、ガラガラでした。
18きっぷのスタンプが終電まで有効になる大阪電車特定区間に入るのも、途中の長尾からです。そうした変化を考えると、案外昼間に乗ったらいろいろ発見できる路線かもしれません。
長尾からやっと通過運転が始まった後、明らかに雰囲気が変わったのは住道でした。
各駅停車からの乗り継ぎ客が一斉に乗り込んできて、大阪の街が近づくのを実感。

19:53、京橋に到着しました。これで学研都市線も完乗ですね。
そうそう、さっきのラインコードの話に戻るんですが、学研都市線は長らく親しまれていた黄緑のラインカラーを、ピンクに変更されたようです。
ほとんど一体化しているJR東西線と、同じラインコードをシェアするみたいですね。今のうちに黄緑の記録をおすすめします。

そのまま大阪環状線で大阪に出ました。
いやぁ~久しぶりに来たな大阪。最近の関西訪問はせいぜい京都までで、大阪まで来るのは3年ぶりぐらいじゃないですかね?

発車標に、山手線との決定的な違いを感じるの図。
山手線のホームには、平常時には山手線の電車しか来ません。
一方の大阪環状線のホームには、関空やら奈良やら和歌山やら、あらゆる方面に向かう電車が同じホームに入ってきて、極めて多種多様な行先が発車標に並んでいます。
だから大阪環状線って、環状路線っていう認識があんまり私の中ではないんですよね。天王寺で切れてるイメージ。
大阪環状線は激変が始まっているみたいですね。
全駅にご当地発車メロディの導入が予定されているほか、新型車両「323系」のデビューも決まりました。
とりあえず大阪駅の放送を録ったつもりではいたんですが、降り立った場所が悪かったのかあんまり鮮明に聴こえなかったので、動画のアップは見送ります(

お土産もちょいちょいっとチェックできたところで、新快速で京都まで戻りましょうかね。

キハ189が発車を待っていました。これから鳥取に行くのかと思いきや、実は「びわこエクスプレス」!
681・683系とともに、通勤客の帰路の足となっているようです。

これを書いている今、「富山」の文字を見ることはもうできません。
あと、「サンライズ瀬戸・出雲」というのは大阪の方の特権ですよね。
「サンライズ」は上りだけ、大阪で乗り降りできます。急行「銀河」なき今、寝ながら東京まで移動できる貴重な交通手段です。
ちなみに。
「特権」とは言いましたが、実は「サンライズ」って下りでも、東京から大阪に行くのにも十分活用できるのをご存知でしょうか。
大阪に停まらないものはしょうがないので、とりあえず姫路まで行くとしましょう。姫路着は5:25です。
折り返し、姫路5:46発の新快速に乗れば、6:48には大阪に着けます。
土休日は5:38発の快速になりますが、それでも大阪7:08着。始発の新幹線より1時間半も早く着けます(以上、2015年3月14日改正ダイヤ)。
「姫路まで行ったら余計な運賃かかるやん」とお思いの方!心配無用です。
東京から姫路まで行くと片道600kmを超えるので、往復割引が効きます。すると…、
①東京(都区内)⇔大阪(市内)
8,750×2=17,500
②東京(都区内)⇔姫路
【9,830×0.9】×2=【8,840】×2=17,680
信じがたいことに、大阪との往復運賃と比較して、たった180円しか変わらないのです!1割引を侮ってはいけないのがよく分かります。
雑魚寝のノビノビ座席で良ければ、かかるのは特急料金だけ(寝台料金不要)。しかも在来線ですから、その特急料金も新幹線よりはるかに安いです。
運賃の180円差なんか余裕でなかったことになるばかりか、4桁のお釣りがくるはずです。
「サンライズ」で姫路に着いたら、そのまま復路の乗車券を使って大阪に引き返します。乗車券は大阪で途中下車している扱いとなります。
あとは大阪で用事を済ませたら、帰りは大阪から直接「サンライズ」に乗って東京へ帰れる、というわけ。
帰るのは別に当日中でなくても、東京都区内⇔姫路の往復乗車券の有効期間は10日ありますから、それ以内に帰ってくればOK。
つまり、10日以内に東京から大阪まで行って帰ってくるのであれば、往復ともに「サンライズ」を使うという選択肢はものすごくポテンシャルが高いのです。ちょっと頭の片隅に入れておくといいかも。

2日目の〆が今回乗ってない列車のうんちくになっちゃいましたが…まぁいいでしょう。2日目も無事終了です。
3日目へ続く。
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