本当は東京に戻ったのは翌22日だったんですが、最終日は旧宅の大掃除に使ったので特に何もしていません(
「せっかくだから」がいっとき口癖でした。はい。
せっかく(言ったそばから)帰省してきたので、1ヶ所ぐらい観光しようということで、ファンミの翌日には熊本のほうへ行ってきました。
偶然にもにこりんぱながそのまま舞台挨拶で光の森に行ってましたが、そっちに行ったわけではなく普通の観光(+親戚への挨拶回り)ですw

今回使用したきっぷはこちら、「九州ネット早特7」という特企券です。
JR九州が展開しているネット限定きっぷの一つで、ネットで購入後、JR九州の駅の券売機で受け取る形式です。
片道単位で買えるというのが地味に大きな強みで、遠方に住んでいる人がちょっと片道だけ使いたいというときに、九州民には昔からおなじみの「2枚きっぷ」みたいに余らせてしまうような心配がありません。かゆい所に実によく手が届くようになりました。
また飛行機よろしく、購入時期が早ければ早いほど割引率も豪快になります。
博多-熊本の普通運賃+指定席特急料金(通常期)=5,130円のところ、この区間でMAXの「早特7」、つまり7日前までに買うと、なんと半額の2,570円!
ちなみに「さくら」で急がなくてもいいよという人のために「つばめ限定版」もあり、こちらはさらに安い2,350円まで下がります。
この価格設定がどれだけすごいかというと、博多-熊本って普通運賃が2,130円なんですよ。
つまり「つばめ限定版」に至っては実質、特急料金220円。いかに無茶苦茶な価格かお分かりいただけるでしょうか(
ちなみに博多-熊本駅前の高速バスは普通運賃で2,160円、MAX割引の4枚回数券で1,695円/枚です。
新幹線の正規額がいかに高いかというのが浮き彫りになる一方で、早特なら十分勝負できる価格設定になっています。
とはいえ、熊本駅の立地条件の悪さはどうしても無視できず、中心部の交通センターで乗り降りできるバスの利便性が依然人気を集め続ける中、割引きっぷの導入と、熊本駅の価値底上げの双方からのアプローチで勝負、といったところが現状でしょうか。
そんな化け物きっぷですが、やはり制約も少しきつめで、指定した列車そのもの以外での利用は一切無効になります。
2枚きっぷでは可能な“後続列車の自由席利用”なども一切できません。
特に「早特7」がつく券種は、一度購入したら変更も不可です(ただし、手数料を引いた上で払い戻しは可能)。
事前に綿密な旅程を立てられるなら、積極的に利用していきたいきっぷですね。

博多9:09発「さくら」541号 鹿児島中央行きに乗車。
久留米-熊本の区間はこれが初乗車でした。
新八代以南は部分開業時代に縁あって何往復かしたことがあり、九州新幹線といえばトンネルという図式が頭の中に定着していたものです。
しかし北部区間は逆に、新鳥栖を出てから筑後船小屋の先までトンネルが1つもなかったりして、かなり明かり区間が多いです。
こんなところにも筑紫平野の雄大さを感じると同時に、やはり九州新幹線を南半分から先に通した意義は大きかったんだろうと思いました。
しかしまぁ速い速い。博多からわずか38分後の9:47には、もう熊本に着いてしまいました。
幼少期の自分の中では、熊本というのは特急を使っても1時間半ぐらいかけて行く場所だったわけで、30分台で着いてしまうのは絶対に何かが間違っていると思わざるを得ないのです(


まだ写真でしか見たことがないんですが、熊本駅の新幹線ホームは夜の照明がまたドラマチックなんです。
暖色系の光源を天井へ向けて照らす間接照明のテクニックを組み合わせることで、どこかホッとする落ち着きのある空間演出がなされる…というのを私は写真で知っている。ぜひ一度日が暮れてから来てみたいものです。
対向列車の発車の様子を動画でどぞ。「さくら」546号 新大阪行きです。
ちなみに貴重な新玉名停車便なので、いずれお世話になるかもしれません。

改札階のシックな設計はなかなかおしゃれ。


在来線ホームも高架化が進行中で、既に4~6番のりばが高架ホームとして完成し、供用が始まりました。
地上ホームは0~2番のりばが残っていて、3番のりばが一時的に欠番になっています。
半分だけ高架化が済んでいる過渡期のため、構内はアップダウンの激しい複雑な構造になっています。


地下通路をくぐって白川口から脱出し、熊本市電に乗り換えて中心部を目指します。
日曜日ということもあってか、これがまたなかなかの混雑ぶり。


熊本城・市役所前で下車。
熊本市電は新幹線の延伸と同時期の2011年にちょっとしたテコ入れを行っていて、その一つが路線系統の改称です。
中心部から熊本駅方面に向かうのがA系統、上熊本駅方面に向かうのがB系統になりました。昔は「2系統」・「3系統」と呼んでいましたね。
で、この電停も以前は単に「市役所前」で、ここの1つ手前が「熊本城前」だったんです。それがこのときなぜか「熊本城・市役所前」と「花畑町」に改称されたんです。
ここで降りると微妙な路地を抜けないといけないのがちょっともやもやします。まぁ、素直に今「熊本城」って入ってるほうで降りたんですけども(


私も乗り鉄の合間にいろいろな城を巡ってきましたが、やはり熊本城の威厳は頭一つ抜けて別格です。
石垣の間をかき分けるような道を登るワクワク感が一味違います。

このラインですよ。熊本城の代名詞の一つとも言える“武者返し”、何度見ても惚れ惚れしますね。

休憩がてら中心街の方向を見てみると、あんなところにも巨大くまモンがw

市電の軌道緑化が少しずつ進められています。ヒートアイランド対策として最近各地で流行っていますが、これ自体のメンテナンスもなかなか大変そうです。

城内散策に戻りましょう。
ここの本丸御殿の特徴として、石垣を跨ぐように建てられていたことが挙げられます。
全国的にかなり珍しい構造だそうで、その下の通路は「闇り通路」と呼ばれています。この独特な雰囲気の通路が、本丸御殿への裏ルートではなく表の出入口だったのが驚きです。

どーん。お約束のアングル。

宇土櫓から二の丸方面を撮影。
藤崎台球場の照明が見えています。藤崎八旛宮はかつてあの場所にあったそうです。
そしていよいよ本丸御殿に入ってみました。

60畳にも及ぶという大広間に目を見張ります。一度はこんな空間でもてなされてみたい(



そして本丸御殿最大の見どころ、若松之間に昭君之間!
豪華絢爛とはこのことというような鮮やかな空間には、豊臣秀頼を匿おうとしただとか、いろいろな謎や言い伝えも多く、歴史に思いを巡らせるのも一興です。
人の流れがあるので、人が多いときはあまりじっくりとは見られないんですけどねw

熊本城ではかなり前から、復元事業のために全国から寄付金を募っています。先ほどの本丸御殿大広間も、寄付金の力を得て2008年に完成しました。
1万円以上寄付すると「一口城主」として、天守の内部に自分の名前を恒久的に掲示してもらうことができます。私の祖父も一口城主の1人として名前が掲示されています。
まぁ1万円なら、故郷の名城のために自分でも寄付してもいいかなぁなんて思ったりしています。著名人の名前も結構見つかるので、展示品鑑賞の合間にでも探してみてはいかがでせう。

熊本市電には個性的な車両が数多く在籍しています。
こちらの9700形は国内初の超低床車とされ、他に類を見ない日本離れした外観が特徴です。

これに乗って新水前寺駅前まで移動。ここも以前は「水前寺駅通」だったのですが、まぁ分かりやすさ重視の妥当な改称。
正確には、本来は600m離れた隣の水前寺駅との連絡を意図して開設された電停だったのが、国鉄がJRになってから新水前寺駅を開業させて直結が実現したことを受け、20年以上経ってから再度駅名を合わせ直したという経緯をたどっています。

親戚と合流し、久々に水前寺公園に行ってみました。
富士山を模した築山を中心に、実に静かな時間が流れています。おすすめ。
というわけで、ずっと後回しにしていた昨年6月の話をようやく書くことができました。
なんだかんだ言って地元は落ち着きます。九州の乗りつぶしも意外と残っていたりするので、暇を見つけて帰っていくことになるんじゃないかなぁと。
ではでは。
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