島原鉄道は諫早-島原外港を結ぶ43.2kmの路線で、国鉄だった経歴を持たない、純民間ルーツの私鉄です。
元々は島原半島の南端に近い加津佐という町まで路線が延びていたのですが、深刻な赤字が改善されなかったため、2008年に島原外港-加津佐が廃止されてしまいました。
当時の路線長のほぼ半分にあたる距離が、ごっそり廃止されたことになります。特に1991年の雲仙普賢岳噴火で被災した区間に至っては、1997年に完成した抜本再整備からわずか11年での廃止でした。
廃止区間は線路こそ概ね剥がされたものの、橋梁などは未だにそのまま放置されている箇所が多いことが、Googleストリートビューでも確認できます。
こういった構造物は撤去するにもかなりのお金がかかるため、特に地方鉄道では放置されてしまうことも多いようです。なんとも物悲しいです。

3月27日は第4日曜日。この日は運良く、「Shimatetsuフリーパス」の発売日でした。
これは第2・第4日曜日だけ発売される企画乗車券で、鉄道だけでなく、島鉄バスおよび口之津(南島原)-鬼池(天草)航路のフェリーまで乗り放題になるという、ものすごいきっぷです。
しかも1,000円ぽっきりという発売額は、鉄道線を片道乗り通すだけで元が取れてしまうのです。発売日が月2回にまで絞られるのも納得の、最強のきっぷですw
実のところ帰省する日も適当に決めたので、フリーパスの発売日は全く狙っていませんでした。
島原外港駅は無人駅のため、発車前に運転士さんに申し出て購入。スクラッチを削って、

島原では、なんとホームで武将隊が出迎えてくれましたw
島原城七万石武将隊の方々みたいです。実はこの日は島原城桜まつりの開催期間中でもあり、観光客を駅までお出迎えに来ていたんですね。
よそ者が私しかいなかった上り列車なのにカメラを見つけてくれて、ポーズまでとっていただいてありがとうございました。お城にはまた改めてお邪魔しようと思います。

列車は島原半島の海岸線にぴったりくっつくように進んでいきます。

中でも大三東はご覧の通り格別の絶景!
縮小した写真ではちょっと分かりにくいかもしれませんが、よーく目を凝らすと、有明海を挟んだ対岸(おそらく玉名市あたり)の建物が見えます。

日野デュトロ号…だと…?


有明海や諫早湾と言えば、大規模な干拓地帯も有名ですね。
「干拓の里」というド直球の駅名もあるくらいで、どこまでも平らな水田が広がっています。
この辺りはもう随分昔から、海と調整池を隔てる水門を開ける閉めるの論争が泥沼化
農業・漁業ともに地域に根付く重要な産業であり、「あっちを立てればこっちが立たぬ」の見本的な構図となっていて、もはや誰も安易に手を付けられない難しい問題です。
そんなことを考えている間に、いつしか列車は諫早市街へ。
諫早-本諫早の市街地1駅間だけを走る区間列車も多く設定されていて、きめ細かい経営努力を感じます。

13:14、終点の諫早に到着しました。島原鉄道完乗。


随分小さい頃に旅行で来たはずなんですが、諫早で何をしたのかはよく覚えていません…。

駅を出て少し歩いてみると、何やら建造物が組まれているのを発見。
諫早は長崎新幹線の停車駅になることが決定していて、その整備の一環としての工事と思われます。新幹線は反対の西側に入るようです。

なんとなくぐずつき始めていた空からとうとう雨が降り出していたので、駅前探索もそこそこに切り上げ、駅舎に戻りました。
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