特にJR以外で、2時間以上同じ列車に乗り続けることってあまりない気がするので、なかなか新鮮な気分ですね。


やがて海沿いに見えてきたのが、九州電力ならびに電源開発の松浦発電所群でございます。
なかなかに大規模です。この列車から見える人工物の中でもひときわ大きくて驚きます。

その後もしばらくオーシャンビューを楽しめます。

桜にはちょっと早かったですが、代わりにこうして菜の花を堪能することができました。

17:53にようやく、乗ってきた列車の終点である伊万里に到着しました。
しかし、まだ松浦鉄道は終わりではありません。
伊万里でスイッチバックするような線形で、さらに有田まで続いています。
ただし、現在は伊万里をまたいで運行する列車が存在しないため、必ず伊万里で乗り換えることになります。
有田行きの発車まで少しだけ時間があったので、駅の外に出てみました。

伊万里駅は松浦鉄道の拠点駅であると同時に、JR筑肥線(いわゆる筑肥西線)の終点でもあります。



前回、松浦鉄道はかつて国鉄松浦線だったという話を書きましたが、伊万里駅も元々国鉄・JR九州が管轄する1つの地上駅でした。
しかし、線路で区切られていた町の南北をつなぎたいということで、2002年に思い切って線路を分断し、町の南北をつなぐ道路として新しく整備されたのが、今立っているこの道路だそうです。
跨線橋の建設や高架化ではなく、線路を取っ払うことで街の南北を結びつけてしまう手法は、一見するとずいぶん大胆なやり方に思えます。後々直通させたくなっても、簡単には戻せませんからね。
しかし、路線を管轄する会社も変わり、直通需要も知れていたであろう場所では、こうした発想も選択肢としてはアリなのかと、ある意味感心したわけです。
横断歩道がありませんが、駅舎上部に見える連絡通路が歩道橋の役割を果たしています。


18:11発の有田行きで、松浦鉄道の残りの区間に乗っていきます。

夕日が山の向こうへ沈んでいく光景を久しぶりに見た気がしました。
東京に来てからなかなか見ることがなくなった風景をときたま思い出させてくれるのも、列車旅のちょっとした醍醐味だったりします。

18:36、終点の有田に到着しました。今度こそ、松浦鉄道完乗です。結構長かったですね。

伊万里や有田と言えばもちろん、焼き物が有名な地域でございます。

有田駅の待合スペースの一角に、なかなか珍しいものが置いてありました。
これは「ハマ」と呼ばれるアイテムで、焼き物を窯で焼くときに、下に敷いて使う受け皿的な道具なんだそうです。
焼き上がる磁器1つにつき1枚消費される使い捨ての道具なので、この辺りの子どもたちは使い終わったハマで、いろいろと遊びを開発するとかしないとか。
そんな感じでどんどん増えていくハマを活用すべく、使い終わったハマがここ有田駅に集められ、旅行者にお土産として無料配布されているようです。
ということで私も1枚いただいてきました。何気に良いお土産になった気がしますよ。
折り返し、18:51発の伊万里行きで伊万里に戻りました。
19時を過ぎ、さすがに辺りはほぼ真っ暗です。
どうしたものかと地図を眺め、あまり深く考えずに伊萬里神社を目指して歩くことにしました。
いや一応来てみたんだけどさ、境内暗すぎて入る勇気がないんだけど( pic.twitter.com/RpZqcxSM5x
— うるっち (@UltraGreenCar) 2016年3月27日
が、怖い。怖すぎる。ただ暗いばかりでなく、人の気配も全くない神社に1人でお邪魔する勇気は、それなりに振り絞らないと出ないものですね…。
でもきれい pic.twitter.com/zliCxzvI1o
— うるっち (@UltraGreenCar) 2016年3月27日
一通り歩き回って、本殿は明かりの一切ない急な階段の上ということが判明し、さすがに参拝を断念しました。
帰路の無事を祈るはずが、本末転倒になってしまいかねません(
ともあれ、あとはJR筑肥線を経由して、じわじわと旧宅に帰っていくだけです。



20:14発の唐津行きに乗車。
ダイヤの薄さから察した通り、乗客は極めてまばらでした。
筑肥線はなかなか奇妙な路線で、姪浜-唐津の筑肥東線と、山本-伊万里の筑肥西線に分かれています。両者の雰囲気も全く違います。
元々は“ほぼ”1本の路線だったのですが、いろいろありまくって今の状態のようです。
この辺の経緯は図を作らないと説明できない程度に複雑なので、どっか他のサイトを見てください( キーワードは「呼子線」。
さて、ここから旧宅までの帰路は、唐津・博多経由でも佐賀・鳥栖経由でも、時間的に大差なさそうです。
今回は18きっぷを使っているわけで、前者だと地下鉄の運賃が余計にかかるため、後者を採用。

筑肥線の列車を山本で降り、唐津線の佐賀行きに乗り換えて佐賀に出ます。く、暗い…。

21:52、佐賀に到着。
きちんと降り立ったのはいつ以来でしょうか。
夜も更けてくるとなかなかに寒く、二日市まで特急に乗ってしまおうかと心が傾きつつあったのを何とか抑え、22:19発の普通 博多行きで帰り着くことができました。
最終回は何となく山場のない記事になってしまいましたが、これで春帰省の旅は終わりです。
書き終えたと思ったら既に夏帰省の旅が溜まっている状態ですが、いつものように待たずにお待ちください。
さて、今回の旅で獲得したタイトルですけども、長崎県および佐賀県の全鉄道路線を完乗達成しました!
これでコンプリートした都道府県は3県になりました。
ではでは、次の旅日記で会いませう。
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