
東武と言えどもここまで来ると、大手私鉄らしからぬローカルな乗り換え駅が見られていいですね。
ちなみに何となく気付かれているかもしれませんが、東武のこのちょっとした区間だけ乗ったのは、いずれ会津のほうまで乗りつぶすことにしたとき、日光に立ち寄る時間があってもなくても大丈夫なようにという思惑があります(


弁当を調達しつつ、JRの今市駅へ移動します。歩いて10分かかるかかからないか、といったところ。



ICカードの簡易改札がデンと鎮座する、最近のローカル駅の標準仕様。


かつては駅舎側にもホームがあったことがよく分かりますが、現在は線路が剥がされてしまっています。

日光からの宇都宮行きで、宇都宮まで戻ります。

続いては、おそらく乗り鉄の7割ぐらいの人が日光線と抱き合わせで乗るであろう、烏山線に乗っていきます。
電化されている日光線に対して、烏山線は非電化。東京から一番近くでキハ40に出会える路線として人気があります。
一方、つい最近新たなアイデンティティーが付加され、これもまた一時期話題沸騰となりました。

それがこちら!EV-E301系、通称「ACCUM」でございます。2014年に導入されました。
営業運転初日は2両編成に乗り切れないほどの乗客が殺到し、代行バスまで出るという本末転倒の事態に陥ったとかなんとか…(
その正体は、国内で初めて、リチウムイオン電池を搭載し、架線からの充電という方式を実用化した蓄電池式列車です。
ディーゼルとのハイブリッドではなく、純粋に電気駆動のみで非電化区間を走ることができる、最新鋭の列車です。
駆動方式としては文句なしに「電車」なので、列車番号は末尾が「M」になるのが面白いですね。
このため、冊子の時刻表を見れば、どの列車がACCUMで運行されるかは簡単に判別できます。
ちなみに蓄電池式列車全体で見ると実は「日本初」ではなく、宮崎交通線(JR日南線の間接的前身)で1950年(!)に蓄電池式として改造された旅客車両が存在し、実際に営業運転していたそうです。
ただし、これは戦後のエネルギー不足の中で、蓄電池式バスの延長として考案され、事前に充電してある鉛蓄電池を都度積み替える方式で、現代のそれとは全く異なるシステムでした。
なお、JR九州も蓄電池式列車を導入済みで、BEC819系「DENCHA」として、2016年10月19日から若松線で営業運転を開始しました。
現在の蓄電池の性能から考えると、あまり長距離の路線には向かなそうですが、こうした短距離の非電化路線ではじわじわとトレンドになるかもしれません。
さてさて、実際に乗ってみましょう。
宝積寺までの宇都宮線区間では、普通の電車と同じように、パンタグラフを上げて架線からの電気で走ります。乗っていて特に変哲はありません。
本番は宝積寺から先です。
ここでパンタグラフを下ろし、いよいよ非電化の烏山線へと進入!
宇都宮線から分かれると、もう頭上に架線はありません。
ですが、今までと同じインバータ音を響かせながら、しっかりと加速しております。
す、すごい…。何とも不思議な感覚です。
駆動の状態は、客室に設置されたモニターでも確認できます。プリウスみたいですね(


そんな最新鋭の走行音を聴きながら、この田園風景を行くギャップというのが、なかなか乙なものです。

14:32、終点の烏山に到着しました。
なおこれをもって、関東地方にあるJR在来線は全て完乗することができました。逆に言うと、日帰りで新たに乗れるJR線はもうほぼない状態です(

烏山線は単独駅の駅数が7駅で、また「宝積寺」につながっていることから縁起が良いということで、各駅にイメージキャラクター的な感じで七福神が割り振られています。
烏山は毘沙門天の担当。

駅構内にはACCUM専用の架線が必要最低限の長さだけ張られています。
ACCUMはパンタグラフを上げ、折り返しに備えて急速充電を行います。
その折り返しの時間が1時間弱とかなり長いので、駅の外に出てぶらぶらと歩くことにしました。

ACCUMのデビューと同時期の2014年に建て替えられた駅舎は、これまた独特のフォルムをしています。
水郡線の常陸太田駅といい、こういう建て替え方は最近のローカル駅のちょっとした流行りとでも言いましょうか。

線路沿いの人っ子一人いない小道をずんずん歩くと、まだまだ春景色に出会うことができました。


桜の木の横にずらっと並ぶソーラーパネルを見て、非常に何とも言えない気持ちを抱きましたが(

やがて少し大きな道に合流すると、「滝水辺公園」の案内が。
川のほうへ下っていくみたいです。ちょっと行ってみましょう。

そこにはちょうど見頃の桜並木!そして…

どーん!龍門の滝でございます。
わずかに水しぶきがこっちまでかかってくるような、実際に見ると意外に見ごたえのある滝でした。
ここまで来ると、烏山の隣である滝駅がすぐ近くにあります。帰りはここから乗りましょう。



そして、この滝駅に関しては、私が中学生の頃から敬愛してやまない旅グループ「ずみがき!」さんが訪れた“聖地”でもあり、一度来てみたかったんです。
たぶん、私の18きっぷ旅という趣味のルーツの一つはこの動画にあると言っても過言ではないでしょうw
もう7年も前の動画になりますが、観たことがないという方にはどうしてもおすすめしたいです。
「水曜どうでしょう」リスペクトが大きな特徴でもあり、軽妙なトークと編集で、最後まで一気見してしまうこと間違いなしの大作です。
ぜひ最初から観てほしいので、ここにはPart1を埋め込んでおきますね。なお、ネタバレの嵐状態なので初見はコメント非表示推奨です。
あ、時間に余裕のある方は、前作のサイコロの旅から先に観るとより楽しめると思います。
烏山から折り返してきた宝積寺行きのACCUMに乗り込み、あとは帰るだけです。


宝積寺にて、キハ40とACCUMのツーショットも。
とりあえず春の旅は以上ということで。
はよ夏の記事書かんかいって話ですが、たぶん1本で十分かなっていう旅しかしていないので、時間ができたらサクッと書きます。はい。
- 関連記事
-
- 8/3 筑豊場当たり攻略② (2017/03/21)
- 8/3 筑豊場当たり攻略① (2017/02/16)
- 4/8 栃木乗り埋め② (2016/10/30)
- 4/8 栃木乗り埋め① (2016/10/08)
- 4/3 小田急春探し旅 (2016/08/29)