伊豆箱根鉄道には小田原から出ている大雄山線と、三島から出ている駿豆線があり、どちらも2012年8月に乗車済みです。
が、これだけでは完乗にならず、もう一つの路線を残している…という話は当時ブログに書いた通りです。
まさかこの会社にここまでお世話になる転機が訪れるとは思いもしませんでしたが…。
5年の時を経て、今回ようやく埋めることにしました。
免許を取得した今、当時と違って車という飛び道具が使えるということで、沼津市内で車を借り、熱函道路を経由して約50分。
この通り、なかなか微妙な場所に、微妙な路線長で存在します。

十国峠の麓にあるレストハウスに到着しました。
ここまで公共交通機関で行く場合は、熱海駅から伊豆箱根バスに乗って、約40分でアクセスできます。ただ、往路の終バスが14時台(冬季は13時台!)とかなり早く、本数も毎時1本程度と決して多くはないので要注意。
ここでは周辺の名物がいろいろ売られています。十国峠自体も観光地の一つであるのはもちろんのこと、熱海・伊豆エリアから芦ノ湖方面へ車で向かう際の休憩所としても機能しています。

これから乗る十国鋼索線の十国登り口駅は、この施設の2階に併設されています。

通常は往復720円ですが、伊豆・三津シーパラダイスの年間パスポートをちゃっかり持っているので、特典で650円の割引運賃になりました。
こう書くと何となくドヤ顔できそう…に見せかけて、実は公式サイトに貼ってあるWebクーポンと割引率は変わりません(
それもあって、わざわざ年パスを行使する人はあんまりいないのか、きっぷ売り場の係員さんがピンとくるまでにちょっとラグがあって、シュールな空気になりましたとさ。


車両はかなり年季が入っています。なんかもう、今や菱形パンタグラフすら郷愁をそそられるような時代です。
最近乗りつぶしてきたケーブルカーは新しい車両が多かったので、古き良き車体というだけでちょっとテンションが上がりました。
また、1956年の開業から昨年(2016年)で60周年ということで、車両は特別ラッピングが施されていました。
…まさかと思って銘板を見ると、「昭和31年」と書いてありました。ということはこの車両、なんと開業から一度も更新されてません。マジで…?


おそらく当時から掲示されているであろう、味のありすぎる説明書き。
今回も好評の(大嘘)ノーカット動画をご用意しました。
ここは比較的小ぶりな路線で、3分もかからずに山上側の十国峠駅に着いちゃいました。後手後手に回っていた割にはあっさりしたものですが、これで正真正銘、ようやく伊豆箱根鉄道完乗です。


ですよね。晴れるわけがないよね。私が山に来て。
いやでも、ここまで来たら富士山ぐらい期待しても罰は当たらないのでは…。もとより富士山ビューが売りの峠なのに。なんとか雨男を脱却する方法はないものでしょうか。
まぁ、それでなくとも夏場は十国も望むなんて無理でしょう。冬場なら本当に房総まで見えるのか、確かめに再訪したいところではあります。

とは言え、その手前に広がる緑のパノラマはかなり見ごたえがあります。
中央左、色の明るい田んぼがある盆地のあたりが、ちょうど丹那断層の縁にあたるそうです。
ちなみに東海道線の丹那トンネルは、建設の真っ最中にこの断層が引き起こした1930年の北伊豆地震によって、本来一直線に通されるはずだったのが、ごくわずかにS字を描く線形になっているらしいです。何度乗っても全く分かりませんが…。

で、おなじみ沼津は内浦の方向。
中央の淡島(淡島ホテルが目印)の手前にはぼこぼこと山が連なっていて、内浦地区はあの裏になるため、ここからは見えません。あの向こう、本当に平地がないんだなぁというのがよく分かります。
さらに手前側の緑っぽいラインが狩野川。ABBの工場を目印に、原木から韮山にかけての一帯を確認できました。
あ、特にオチはないです(
これは車で移動したときの致命的な問題で、道中の写真が基本的に撮れません。助っ人に同行してもらうしか解決策はないですね…。
乗りつぶしのネタはあと1本ストックがあるので、これも気が向いたときに書いていきます。