
しんしんと雪が降り続いていましたが、とりあえず地下鉄に乗るのであまり関係ありません。
まずは北18条から、地下鉄南北線でさっぽろへ向かいます。

黒ベースに蛍光色の文字やラインを使った案内表示が多く、引き締まった印象を受けます。

さっぽろに到着。
地上のJRの駅に上がり、本日も旅をスタートさせていきます。

札幌のナンバリングはアルファベット無しの「01」。北海道のあらゆる旅路はここから始まるという、輝かしい印です。


5面10線を誇る札幌駅、その最も北側にある10番線です。
これから乗車するのは札幌6:58発、学園都市線の石狩当別行きです。
乗り鉄の方なら、もうこの列車に乗る時点で札幌泊を挟んだ理由がお分かりいただけたかと思います(
学園都市線は正式には「札沼線」というのですが、案内上ほぼ全く使われていません。
この「沼」は石狩沼田という駅(現在は留萌本線の単独駅)のことなのですが、40年以上前に部分廃止され、現在はそこまで行かなくなっているという背景もあります。

しばらくは市街地の上を立派な高架で通っていきます。
ほぼ20分に1本という頻度で運行されているほどで、普通に札幌近郊の活気ある路線という感じですが、意外にも2012年にようやく電化されたばかりです。


それでも石狩川を渡ると、車窓には一気に農地が広がってきます。駅周辺にコンパクトに町ができている感じです。

7:38、石狩当別に到着しました。

7:45発の新十津川行きに乗り換えます。
札幌泊を挟んだ理由はまさにこの列車でございます。
鉄道好きの方は既によくご存知かと思いますが、この新十津川まで行く列車、1日1本しかありません。
つまり、朝の7時前には札幌にいないと、学園都市線を下り方向に完乗することは不可能なのです。
石狩当別を出て1駅目の北海道医療大学は、その名の通り大学の最寄り駅です。
なにせ札幌から6両に乗って来た乗り換え客がたった1両に圧縮されるので、石狩当別で降りる人を差し引いてもかなりの混雑になります。
ならさっきの列車を医療大学まで走らせればいいじゃないかと思ってしまいますが、すぐ15分後に医療大学行きが追ってきますし、石狩当別で止めておかないと線路のキャパ的に困るのでしょう。

進行方向右側には、ローカル線沿いとは思えない、いやある意味では鉄道をローカル線たらしめる高規格な道路が並行しています。
これは国道275号で、このまま新十津川まで学園都市線とほぼ並走しっぱなしです。

中小屋駅。
文字通り小屋のような駅ですが、これは貨車を改造して設置された北海道あるあるの駅舎です。
独特の物悲しさを感じさせる一方で、吹きっさらしよりはずっと良い環境が提供されるわけで、これはこれで一つの文化だったりするのだと思われます(?)
時折森の木に両サイドを囲まれてしまうような区間も少なくありませんでした。
ここまで来るともはや「学園“都市”」という雰囲気ではありませんが、駅名標には確かにこの区間も「学園都市線」と表示されているのです。

石狩月形に到着しました。ここで20分以上も停車し、上り列車を待ってから発車します。
ここから先は線路が完全に1本だけで、どこにも列車のすれ違える場所がなくなるので、ここで待たざるを得ないわけです。
そこで使われているのが、「スタフ式」と呼ばれる信号システム。
「タブレット」(元々はスタフとタブレットは別物)というアイテムを使い、「タブレットを持っている=通ってOK」という約束を決めます。
その区間の入口の駅で管理されていて、これからそこを通ろうとする列車の運転士さんに手渡し、通り終わったら運転士さんから駅に返すというものです。
写真に収め損ねたのが残念ですが、全国的にも極めて珍しい、究極に原始的なシステムです。
いつもなら外に出て、駅構内を見て回るところでしょうが、何しろ寒く、外に出る気力が湧きませんでした(

特に進行方向左手が鮮やかに開けると、樺戸山地と呼ばれる山々を望むことができ、気持ちがいいです。

時刻は9時を回り、浦臼を抜けます。
ここまでは1日6往復の列車がありますが、この駅を抜けると、いよいよ問題の1日1往復区間に突入します。
言い方を変えると、ここより先の駅では、一度札幌方面に出かけたら最後、同じ学園都市線で当日中に帰ってくることは不可能という、衝撃の事態を意味します。札幌からたった70kmの地域にも関わらずです。
この辺りのケアについては次回書きます。

まぁしかし、車窓としては6本と1本の違いがどこにあるんだ…という不思議な感じです。
ただ、車内はもはやほぼ全員が、会話を聴いている限り明らかに“わざわざ”乗りに来た利用者となっていました。
それはそうです。そもそも沿線人口が少ないのに、こんな朝早くに始発兼最終となるこの列車を、それも下り方向に「地元利用」というのは相当稀なはずだからです。


そのやるせなさに気付かされたりもしましたが、9:28、終点の新十津川に到着しました。無事に学園都市線完乗です。
着いたところで、駅の詳しい紹介はいったん次回に回します。
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