新花塩駅北口ぶらりお散歩案内所!

鉄道乗りつぶしや聖地巡礼(アニメ舞台探訪)をライトに楽しむ、うるっちのブログです。

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新十津川駅に着くなり、濃い歓迎を受けました(

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クリスマス間近ということで、駅舎の中は可愛らしい飾り付けで満たされていました。
こうやって地元の方に丁寧に管理されている駅は、たとえ列車がほとんど来なくても、町の顔として旅行者を明るい気分にさせてくれるものですね。

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これぞ極限の時刻表です。
終着駅なので、この駅から出る列車は全方面を合わせても正真正銘の1日1本。この条件を満たす駅は、現在おそらく日本中でここだけだと思います(2018年改正後は10:00発に変更)。

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雪を被っていると本当にお菓子の家みたいです。


さて、周辺の様子をご覧いただいてお気づきかと思いますが、駅のすぐ前にはかなり大きな病院があり、ごく普通に住宅も建ち並んでいます。
1日1本という究極のローカル線の駅前だというのに、かなりひと気が多いと思いませんか?
時々この駅が秘境駅として紹介されているのを見ると、確かにダイヤ的には強烈な駅だけど、秘境かと言われるとうーん…?という印象です。

ある程度人が住んでいて、“一応”札幌まで繋がっている、ポテンシャルもありそうな学園都市線が、なぜこんな極端なダイヤになってしまっているのか。
そもそも車社会というよくある事情もあるとは思いますが、地図を少し広く見てみると、その意味するところが何となく分かってきます。


そうです、前日にも通った滝川の街まで、石狩川を挟んでたった4kmしか離れていないんですね。
滝川駅には特急も止まるので、札幌にも旭川にも楽々移動できます。
また、札幌へ向かう高速バスも、滝川に出れば利用可能。

悲しいかな、わざわざ遅い学園都市線を使わなくても、もっと便利な移動手段がいくらでもあるというわけです。
前回の記事に書いた「ケア」とはこの環境のことで、新十津川に限らず、学園都市線末端の沿線からは、川の対岸の函館本線の駅に車やバスでアクセスし、そっちを使うほうが基本的に便利ということです。

こうなると、学園都市線の出る幕はなくなってしまいます。
はっきり言えば、1日1本というのは誰が見ても廃止を見据えたダイヤに間違いありません。ですが、そうしたニーズに合う交通体系がきちんと整えられるのであれば、必ずしも悲観すべきことでもなかったりするように思います。

これから私も実際に滝川に抜けて行こうと思いますが、その前にちょっと寄り道。

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駅から歩いて5分ほどのところにある新十津川町役場にやって来ました。
ここの産業振興課に行って職員さんに申し出ると、「新十津川駅到達証明書」というカードをもらうことができました。


※2018年4月27日から、このカードは新十津川駅舎に新しく開設された観光案内所で配られているそうです。

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新十津川役場バス停です。新十津川駅の最寄りのバス停がここになります。
滝川市内方面への乗り場は、役場の向かいにあるファミマの脇です。

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中央バスがやって来ました。運賃は230円、所要時間約12分でサクッと滝川まで運んでくれます。

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雄大な石狩川を渡ります。逆光の中でスマホで適当に撮ったら、図らずもなにやらドラマチックな写真になってしまった(

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滝川駅に程近い滝川ターミナルに到着しました。意外と遠回りしなければいけない道のりも、バスを使うことでスムーズに連絡できました。

なお滝川ターミナルは、この旅の後、2018年3月をもって廃止されました。
現在は滝川駅により近い場所に発着場所が移転し、鉄道との乗り換えが便利になっているそうです。


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再び滝川から列車に乗ります。
10:22発、特急「カムイ」9号 旭川行き。一切の遠慮なくバンバン特急に乗れるのも、北海道フリーパスの底力というのが半分、ダイヤ的にそうせざるを得ないのがもう半分。


特急の走りはこの日も快調です。雪をかき分け…というよりはかき飛ばし(?)、旭川を目指しています。


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10:35、深川で下車。ここで留萌本線に乗り換えます。



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11:09発の留萌行きです。

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ちょっと…言葉を失う1枚ですが(
ここが札沼線が延びていたと紹介した石狩沼田ですね。

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留萌に近づくにつれて、みるみる天気が荒れてきました(


この旅で今までになかったほどの荒々しい雪の中を、列車は時折パチパチと音を立ててかき分けていきます。
今頃列車の前面はすごいことになっていそうです。そんな中でも定刻で走ってるのもちょっと怖いんですが(

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反応に困るくらい、はるか先まで真っ白です。人はどこに足を踏み入れてるんだ…?

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ここにもありました、貨車改造駅舎。
この生活感が全くない風景の中にぽつんと置かれているのが、独特の神秘性を醸し出しているというか。


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今までにない荒天の洗礼を浴びながらも、12:06、終点の留萌に到着しました。
深川からの距離は50.1km。全線走破に1時間もかからない留萌本線は、JR全体の「○○本線」の中で一番短いそうです。

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写真で雪の粒が止まっているとなかなか綺麗に見えますが、これ実は目を開けているのも厳しいほどの強烈な吹雪です。とても外にいられたものではありませんでした…。

この旅ではこれまでいくつもの街をぶらぶら歩いてきましたが、留萌は初めて日本海に面した街として訪れた地でございます。
冬は大陸側からの季節風が強く吹き付けることになり、ここに雪が加わると天気は非常に荒々しいものになるわけですね。
今まで車窓を彩っていた雪も、強く降れば当然に脅威として襲い掛かってくることを思い知らされます。

もう少し穏やかな天気だったら、1機しか現存していないという、D61形という蒸気機関車を見に行くつもりだったんですが、到底外を歩けそうになかったため、駅に閉じこもる苦渋の選択。
代わりにブログではこの駅にしっかりフィーチャーしようと思います。


留萌駅舎の2階には「FMもえる」という、いわゆるコミュニティFMのスタジオがテナントとして入っていまして、構内でもその放送を聴くことができます。ちなみにネットでも同時配信されているので、全国から聴取可能です。
あたかも外界から吹雪に閉じ込められたようになっていても、孤独じゃない安心感があります。まぁ、そもそも駅員さんも窓口にいるので、実際孤独にはならないので大丈夫ですが(

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こういうのを趣ある昭和の待合室というのでしょう。広い室内に整然と椅子が並べられ、列車旅特有の旅情をそそられます。

その一角には、屋台そのものの佇まいをした立ち食いのそば屋さんが入っています。立ち食いと言っても店の脇にテーブルを出してくれているので、そこでゆっくり座って食べることができます。
名物と言われるにしんそばをオーダーしてみました。

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丼に横たわるニシンは軟らかめに煮込まれていて、よくほぐれます。
決してしつこくはないながらも濃い目の甘いつゆともよく合い、ポッカリと温まってくる味でした。
14時ぐらいで閉まってしまうっぽいので、私が乗ってきた列車で来るのがベストかつラストのタイミングになると思います。車で乗りつける方が多そうですね。

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ついこの前、2016年12月までは留萌駅は途中駅で、留萌本線はこのまま沿岸を走り、16km先の増毛まで続いていました。
つまり訪問時点で留萌-増毛の廃止からちょうど1年が経っていたものの、構内の地図がまだ更新されておらず、その名残は容易に感じることができました。

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地図ばかりか、留萌駅を出たすぐ先で渡っていたトラス橋もそのまま残っていました。あえて撤去するというのもまた費用がかかるわけですし、なんとも複雑です。
2つ見えるうち右側は貨物線のものだったそうです。

そして、現状ではどうにか鉄道として存続している深川-留萌の区間についても、もはやかなり絶望的な状況にあります。
前の記事でもリンクを貼った資料でも、留萌本線の残った区間ですら、利用状況は道内ワーストの一つに挙げられていて、JR北海道も既にこのまま行けば廃止する意向を示しています。
留萌本線と全く同じ役割を担う深川留萌自動車道(しかも通行料はほぼ無料)が、2019年度には留萌市中心部に到達する予定で、これが決定打になりそうです。

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13:30発の深川行きで留萌を後にします。

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あんなに荒れていた天気が嘘のように落ち着きました。
留萌本線の両端で、明らかに気候が違います。


14:29、深川に戻ってきました。

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15:06発、特急「カムイ」19号 旭川行きに乗り換えます。旭川へは特急であと1駅。

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いやぁ、留萌のあの吹雪は夢でも見ていたんでしょうか。すっかり落ち着いて一安心。

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15:25、旭川に到着しました。前日にも同じような角度で駅名標を撮ってましたね(

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向こうに停車中のキハ54は、石北本線の特別快速「きたみ」。あくまで快速ではなく特快として(方向幕は快速でしたが)、北見まで軽快に走っています。快速もあまり多くない地域にあって、異彩を放つ列車です。


さて、かなり早いですが4日目の旅程はこれでもう終わりです。
今回の旅の主目的を翌日に控えていたため、万が一にも12月9日に札幌に立てなくなるリスクを減らしつつも、いろいろな街を回りたいというバランスをとった結果、この日は予備日のようなものとしていました。あとは単純に、学園都市線最優先で旅程を組んだ結果というのもあります。

宗谷本線に乗れという話もあるかもしれませんが、この路線ばっかりはいろんな意味で別格にもほどがあるので、機会を改めて腰を据えて乗るつもりです。

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前日昼間にも訪れた北口。夕方になると全く違った表情を見せてくれました。

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広々とした一直線の歩行者専用道路が、整然とイルミネーションで彩られていました。
雪質も良く、実際に歩いたときの印象は一段と気持ちが良かったです。

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日本の歩行者天国発祥の地とも言われているそうです。
この幅まるごと歩行者専用。他ではあまり見ない規模の恒常ホコ天です。

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さてさて、この日の夕食は念願のラーメンでございます!
札幌が味噌なら、旭川は醤油。ということで、老舗である「らぅめん 青葉」さんへ。

お店に入って荷物を下ろさせてもらうなり、お店の方にはその重量に驚愕されました。普通はガラガラを引く量ですからね…(

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迷わず醤油らぅめんをオーダー!

これは…大げさでもなく、自分の中の醤油ラーメンの概念が一瞬にして変わりました。
今まで食べた醤油のスープではまず味わったことのない、グッと喉元を潤す濃さと深み。これが寒さへの英知だと、お腹で理解できる優しい味わい。
麺への絡みも抜群に良く、感動が最後まで続くままにいただくことができました。ごちそうさまでした!

ブログを書いている最近、ちょうどあの味が恋しくなってきています。昔は海老名に支店があったらしいですが、やっぱりまた旭川が私を呼んでいるのかもしれません。


感動的なラーメンとの出会いで、厳冬の夜への防御力をしっかり高めたところでホテルにチェックイン。
ようやく翌日に迫ったメインイベント、札幌でのAqoursファンミに備え、ゆっくり身体を休めます。
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