
ことでんの志度線で八栗までやってきました。
四国島内唯一のケーブルカーである八栗ケーブルに乗るため、ここからケーブルカーの駅まで移動することにします。
…が、かなりアクセスが悪い。
まぁ、ケーブルカーは急勾配から人間の足を解放するための乗り物なわけで、「アクセスが悪い」という評価指標はあまり適切じゃないのかもしれませんが…。
とにかくケーブルカーの駅まで、公共交通機関が何もありません。
八栗ケーブルの公式サイトを見ても、八栗駅からのアクセスは「タクシーで3分」としか書かれていません。「何かしらバスくらいあるやろ」と思っても、ないものはないです。
ただ2km弱でタクシーに甘えるのはなぁ…という気もしたりして、そうすると歩くしか選択肢はなくなります。

と言いたいところですが、実は八栗駅でレンタサイクルを借りることが一応できます。
電動アシスト付きで3時間500円(電動アシストだけあって貸出保証金が3,000円とすごい額ですが)とリーズナブルなので、これが一番賢いチョイスかもしれません。
登山口までの坂をクリアできるかは分かりませんが、皿倉山に比べれば断然マシだったので、たぶん大丈夫でしょう。


要は八栗寺を目指せばよく、道順はほとんど一本道で特に迷うことはありません。

20分ほど歩くと、開けた駐車場が見えてきました。ここが八栗ケーブルのふもと側の八栗登山口駅です。
八栗ケーブル(運行する会社名は「四国ケーブル」)は先述の通り、現在では四国で唯一となったケーブルカーであり、また「何かのついでに行く」ということが若干難しい路線でもありますが、唯一その用事を足せるのが「お遍路のついで」ということになるでしょう(

ボンネット型のえらい渋い顔ですね。どことなく国鉄151系を連想させるような、かなり古い車体の雰囲気があります。

1964年製の車両で、既に50年選手。ケーブルカーもモダンな新車を入れているところと、半世紀以上にわたって同じ車両を使い続けているところの両極があって、比べるとなかなか面白いものです。
案内放送がテープの古さもあってえらい不気味です…。これで「おくつろぎください」はなかなか難しいものがあるのでは(
流れているのはいろは歌(そもそもいろは歌は弘法大師が作ったという説があった)だそうで、音質の関係で分かりにくいですが、おなじみの「色は匂へど~」と歌っているそうです。


さて、乗ってしまえばあっという間に、八栗山上駅に到着です。

登った先にそびえているのは、85番札所の八栗寺です。
お寺に鳥居があること自体は、神仏習合という言葉を思い出せば、深い知識がないなりに何となく腑に落ちるものです。
ここ八栗寺ではお聖天さま(歓喜天)をも祀っていることから、鳥居を構えているということが、公式サイトで説明されていました。

参道にあった地域案内板には、2005年に廃止された屋島ケーブルの絵も描かれていました。
標高約220mとそこまで高くはない割に、この日は雲の中の景色が広がり、天気によってお寺のありがたみが増したような気がしました。

左手がお聖天さまを祀るお堂、正面が八栗寺の本堂です。
静かな雰囲気で大変落ち着きました。
霧雨の続く中 八栗山上駅に戻ると、売店の方が熱いお茶を淹れてくださり、冷えた身体を温めることができました。


帰りのケーブルカーは私1人の貸切状態でした。
八栗駅に戻り、ことでんの乗り鉄を再開します。

志度線と概ね並行しているJR高徳線の線路が見えました。写真には讃岐牟礼駅が写っています。


まったり乗っていたら、列車が海岸線スレスレまで接近し、視界が一気に広がってびっくりしました。
ことでんからオーシャンビューを楽しめるとは知りませんでした。こんな車窓を元地下鉄の車両から眺めるというのが、また乙なものですね。

終点の琴電志度に到着しました。


民家に溶け込んでいるような、味のある駅舎です。

JRの志度駅もすぐ近くにあります。ことでんとは対照的に、モダンで大きな駅舎を構えています。
これらの駅からもそう遠くない場所に、86番札所の志度寺があります。順打ちなら先ほどの八栗寺の次に目指すお寺ですね。
残る琴平線も、言うまでもなく金刀比羅宮へのアクセスを担っているわけで、ことでんはどの路線も寺社との関わりが非常に深い鉄道のようです。
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