3日目“も”18きっぷは使いません( それどころか鉄道にもほとんど乗りません。
乗りつぶしも折り返しに入って久しいということで、さすがにひたすら乗ってばっかりという旅もどうなんという気もしていたのもあり…。
せっかく瀬戸内に来ましたし、離島にでも足を伸ばしてみようというわけです。
ちょうど『からかい上手の高木さん』の聖地巡礼ができるというわけで、鉄板の小豆島に行くことにしました。
聖地巡礼の記事はこちらに書いたので、こっちの記事では作品にあまり絡まなかった名所などを紹介します。

ということでやってきたのは、高松駅の目の前にある高松港フェリー乗り場です。
小豆島には空港も島外につながる橋も存在しないため、本土から船を使わずに行くことが不可能な正真正銘の離島ですが、3万人弱もの島民が暮らしているそうです。
同様に船を使わないと到達できない離島の中では、人口は佐渡島に次いで全国2位(佐渡空港に定期便が復活すれば1位になる)という、かなり大きな島です。
自治体は島の東西で2つに分かれていて、西側が土庄町、東側が小豆島町です。


大きな島だけあって、高松港から小豆島に向かうフェリーには複数の航路が存在します。
メインの航路は、島の中で最も大きい町にある土庄行きで、だいたい1時間に1便とかなりの高頻度運航。鉄道とほとんど変わらない感覚で、とても利用しやすいです。
それ以外に、隣の小豆島町にある池田・草壁行きが、それぞれぽつぽつと出ています。
土庄までの運賃は690円で、所要時間はちょうど1時間といったところですね。
これとは別に高速船も運航されているらしく、運賃1,170円で土庄まで35分で結んでいます。これは高松港の乗り場の場所が大きく違うので、こっちを利用したい場合は要注意です。


7:20、いざ高松を出港。
お世辞にもいい天気とは言えないものの、船でしか行けない離島を目指すと思うと、ちょっといつもと違う旅情に浸れてテンションも上がるものです。
開発された高松のウォーターフロント地区を少しずつ離れ、穏やかな瀬戸内海を航行していきます。
さすがに朝早いせいか、わざわざデッキに出てくる物好きは私しかいませんでした。しかし客室内には地元利用の方が、この時間からぽつぽつと乗っていました。
この時間で既に2便目ですからね。本土と小豆島の行き来がいかに活発であるかが分かります。
反対に小豆島から高松に向かう便ともすれ違いました。なんなら島に住んでいてもちょうど高松に通勤できそうな時間です。そういう会社員的な需要があるのかは分かりませんが(
残念ながら、鉄道連絡船を乗り継いで対岸の街へ出かけた時代を私は知りませんが、小豆島をはじめ瀬戸内の島々へと向かう船に、こうして駅前から便利に乗れることで、かつての連絡船の感覚に近いものを味わうことはできているのかなと、思いを馳せてみました。
高松から見て土庄港は正面を向いておらず、フェリーは小豆島の西側を少し回り込むコースを取ります。
その途中で島の地形を観察すると、結構起伏が激しくて驚きます。そしてやっぱり大きい。

8:20、時間通りに土庄港に到着しました!
オリーブを模したモニュメントがなんともおしゃれです。

港に併設された観光センターで、レンタサイクルを借りました。1日500円。
電動アシストはついていないため、リンク先にもある通り、隣の小豆島町側にあるオリーブ公園などまで足を伸ばすのは非推奨とされています。そこまで行くなら基本的にはバスかレンタカーを借りるかですね。
『からかい上手の高木さん』の聖地巡礼目的であれば、だいたい土庄町内にまとまっているので、この自転車を借りれば概ね事足りるかなぁという感じです。
ちなみにこの旅のあと、2018年7月に、土庄町がオフィシャルな聖地巡礼マップ(PDF)を作成してくれました。旅のおともにどうぞ。
最初に向かったのは、小豆島でも最も有名な観光スポットと思われるエンジェルロードです。

この日は上陸した時刻がちょうど干潮時刻にあたるぐらいでした。
満潮時に沈んでしまうと言っても、干潮時刻ぴったりに行くとかなり太い道になるようです。潮位の変動って結構大きいんですね。
干潮時刻から1時間半~2時間程度、前か後ろにずらして行くと、いい感じに道が細くなって美しく見えるそうです。土庄町観光情報のページにも潮見表が載っているので、事前に時間を調べていくと捗ります。

エンジェルロードの主のような風格ある猫さん。どうもおじゃまさせていただいております。
時間によっては消えてしまう自然の道を歩いていくなんて、なんとも不思議な感覚です。でも気持ちがいいですね。

エンジェルロードのロマンチックな雰囲気とは裏腹に、渡った先の島は岩肌むき出しの断崖絶壁でした。
この先にもあと2つほどの島が連なっていますが、地形も険しい上に先のほうは私有地という関係もあって、一般の観光客が行けるのはこのあたりまで。
水も綺麗で、落ち着きます。
この後しばらくの行程は聖地巡礼メモにあらかた載せたので、そちらに譲るとします。
一つ言うと、「オリーヴの森」を越えて柳地区までチャリで行くのは、地図の見た目以上にかなりしんどかったです…。

それにしても、島の至るところオリーブだらけですね。すごく爽やかな土地です(?)

聖地巡礼からこぼれたスポットとして、小豆島の中ではメジャー中のニッチな観光スポット、土渕海峡です。
文字が貼ってある通り、「世界一狭い海峡」としてギネスブックに登録されている海峡です。最も狭い部分では9m93cmしか幅がないらしいです。
これを言い換えると、つまり厳密には小豆島は2つに分かれているということですね。
あえて2つの島を区別する場合は、西側の小さいほうを「前島」と呼ぶそうです。
土庄港の船着き場も、町役場もエンジェルロードも、前島のほうにあります。

「海」どころか「川」を通り越して「水路」に見えるレベルなので、もはや日常生活で2つの島だと意識する意味は皆無に見えます(
おそらく埋め立ての結果狭くなったんだと思いますが、「地続きだったところに水路を作った」のではなく、「そもそも自然に隔てられていたのを狭めた」というのがミソで、これはれっきとした海峡というわけです。

そんな土渕海峡にほど近い路地は、「迷路のまち」としてこれもまた観光地になっているようです。


こんなに自信を試される「中央通り」を、私は未だかつて歩いたことがありません(

小豆島はオリーブの他にそうめんも名物だそうで、土庄港の観光センター内にある食堂でオーダーしてみました。
そうめんと言えば夏のイメージですが、名物になっているところでいただくとまた美味しく感じました。
小豆島から帰る際には、高松や岡山に戻るルートだけでなく、一気に神戸に渡ることができるジャンボフェリーを利用するという手もあります。
ただし発着が土庄港ではないので、島内を結ぶ小豆島オリーブバスで移動します。



びっくりしたんですが、このバスはどれだけ遠くまで乗っても、なんと運賃が300円から上がりません。めちゃくちゃ安い!
土庄港から坂手港までなんだかんだ20km弱はあるのに、どうやってこんな破格の運賃を実現しているのかかなり謎でしたが、2016年に相当思い切ったテコ入れをしたようです。
最高1,180円→300円って、どんな革命やねん。
今回は聖地巡礼の兼ね合いもあって、西側の土庄町だけに絞って観光しましたが、東側の小豆島町にも見どころは山のようにありそうです。
例えばこれまた小豆島の名産とされる醤油関連で、マルキン醤油記念館というのがあり、この日も周辺は観光客でなかなかの賑わいでした。
そういえば、土庄港でもオリーブサイダーの隣に醤油サイダーが売られていました。
ちょっとビビッてオリーブサイダーだけ購入したのですが、次回こそチャレンジしてみようかな…。

土庄港から1時間弱で、島の南東側にある坂手港に到着しました。土庄に比べると小さな漁港という雰囲気です。
1日3~4便、ここ坂手港から一気に神戸まで運んでくれるジャンボフェリーがあります。もっとも、車を使わない旅人にとっては、旅程にうまく組み入れられる便がだいぶ限られますが…。
運賃は1,990円と、これまた安いです。
ちなみに土庄から一旦岡山に渡ってJRで神戸まで行くと、JRの普通運賃だけで2,590円かかります。
フェリーならカーペット敷きにゴロンと寝転がって3時間半ぐらいうだうだしていれば、神戸まであっという間です。JRの普通運賃以下の値段で、サンライズのノビノビ座席より広い空間(混み具合によるけど)でごろごろできる、夢のような移動空間です。
バスのようなシートベルトもなく、じっと座る姿勢さえも取らなくていい、好きに身体を動かせる船旅ほど楽なものはないですね。これは西日本を旅するとつくづくうらやましく思うところです。

なるほど確かに、先ほど高松から乗ってきた船よりはるかにジャンボな船が入ってきました。
これは高松から来て小豆島を経由する便なので、既に高松から乗っているお客さんがいます。それでもカーペットに適当に寝っ転がるスペースが十分にありました。実に快適です。

さらば小豆島!今度は東側も観光しに来たいです。
正直決して派手な景色が見られる航路ではないことは地図を見て分かっていたので、1時間ぐらいは客室内でごろごろしていました。
フリーWi-Fiが2種類使えるので、スマホでの暇つぶしは普通にできます。
瀬戸内らしさを感じる小さな島は、この航路沿いにはほとんどありませんが、進行方向右手に少しずつ淡路島が近づいてくると、小豆島をも超える広大さに圧倒されます。

ジャンボフェリーの最大のハイライトは、何と言っても明石海峡大橋をくぐるポイント!
17:45頃、旅の3日目にしてようやく晴れてきた天気にも恵まれ、ゆっくりと橋の下をくぐるのは迫力満点で楽しかったです。
カーペットで私と同じようにごろごろと暇を持て余していた利用者も、このときばかりはデッキに出て、この瞬間を楽しんでいました。


そこからさらに1時間ほどでじわじわと日が暮れ、やがて神戸の街並みが近づいてきました。

薄暗くなってきたときの港町の景色は非常に「映え度」が高く素晴らしい。
18:35頃、無事に神戸港に到着しました。やっぱり船旅は楽しいですね。
到着後すぐの連絡で、三ノ宮駅前までの直行バスに乗り継ぐことができます。運賃210円。
センタープラザの地下で夕食を済ませます。
四国麺づくし旅でさすがに米が恋しくなっていたので、カルビ丼を食べました。撮り忘れた(
お腹を満たしたところで、この日唯一の鉄分がこちら(


記憶が確かなら6年ぶりに利用する阪急の神戸三宮駅から、神戸高速線に乗って新開地まで向かいます。申し訳程度とはまさにこのこと。

あああああ中村佑介先生!! pic.twitter.com/lOJkIPFttk
— うるっち (@UltraGreenCar) 2018年3月22日
乗った電車は中村佑介先生のイラストを全面にあしらった華やかなラッピング車両でした。
以上、小豆島特集でございました。
最終日の3月23日は限りなくおまけゆえ、今回の旅のがっつりした本編はここまででございます。しかしまだまだストックしている旅は山のようにあります(
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