
ちはら台駅からはJR外房線の鎌取駅までバスで抜けられるので、これを使って旅を続けようと思います。
小湊バスと千葉中央バス(京成系)の共同運行で、だいたい1時間に3本ぐらい出ていますが、間隔はてんでバラバラなので特に列車と接続している感はないです(

地図や車窓を見る限り、鎌取駅周辺も実はそこまで古くから今の姿をしていた街ではなく、丘陵を切り開いて造成された部分が大きいように見えます。
だいたい25分ほど、運賃は350円でした。


総武線から直通してきた快速 上総一ノ宮行きに乗ります。

上総一ノ宮で、待ち合わせていた先行の安房鴨川行きに乗り継ぎ、房総半島を南へ。

房総一周をやったのも2010年のことですから、相当前ですね。
内房線の館山で降りて、何をするでもなくぼーっと海を眺めていた記憶があります。

10:32、大原に到着しました。

ここからいすみ鉄道に乗って房総の内陸部へ。さらに上総中野で小湊鐵道に乗り換え、JR内房線と接続する五井へと抜けていきます。
おそらくは東京から最も手軽に「汽車旅」らしい旅を楽しめる路線なので、鉄道系でない旅行雑誌でも、そうしたネタでは筆頭に紹介されている定番コースだと思われます。
房総と言えば菜の花というイメージも強いですし、ちょうどこの春の時期、観光としてものんびり楽しめそうです。

今回は「房総横断乗車券」を使って、この2社の路線を乗りつぶしていきます。
このルートは両端でJRに接続することから、観光客は基本片道方向に乗り通すのが一般的だろうということで、ちょうどそれに応えるリーズナブルなきっぷとして用意されているわけですね。
逆戻りはできませんが、途中下車は何回でもできます。小湊鐵道側でも同じきっぷを売っているので、五井→大原コースも可能です。
もし五井まで一度も途中下車しなくても、このきっぷを買うほうが安いということで、駅員さんは観光客に声をかけ、親切にもこのきっぷを勧めてくれていました。



10:53発の普通 上総中野行きに乗車します。
車両はいすみ350型。レトロなデザインは意図的なもので、2013年製の新しい車両です。

車体はムーミンづくし!
このローカル線に人を呼び込むにあたり、子どもたちや女性に訴えかけるものとして、いすみ鉄道沿線の風景がどことなくムーミン谷っぽいというところから始まった、乗車当時の名物社長のアイデアからのタイアップだったそうです。
ただ社長退任後にこのタイアップはやめてしまったので、この記事を書いている2019年4月現在はもう走っていません。
国鉄のいわゆる名車を積極的に仕入れたり、食事を提供してみたりと、いろんな客層を大事にする施策がとられてはいた印象があるんですが、一方では「それどころじゃなかった」という側面も、悲しいかなあったのかもしれません。
それはともかく、さすが春先の日曜日とあってこれが大盛況、乗り込んだときには既に座れませんでした。
この列車で上総中野に12時前に着いても、小湊鐵道の列車が14:04までないため、国吉や大多喜などに立ち寄っていく人が多そうです。
後ろ側のスペースに落ち着き、のんびり車窓を眺めながら行くことにしました。
「ここには、何もないがあります。」という逆説的なコピーのもとに知名度を押し上げた鉄道なだけあって、これといって尖った特徴のある車窓が見られるわけではありません。
しかし、いろいろとありすぎる都会で生きている人が、ふとこうした路線を訪れて価値を見出す構図というのも、確かに存在するのだと思いました。どんな路線でもムーミンコラボが喜ばれるわけではないことも何となく想像がつくものです。

最後尾の窓を見ると、軌道に沿って春らしい色をしたグリーンベルトができていました。

で、一番テンションが上がったのはこれです。
JR久留里線で走っていたキハ30が国吉に保存されていました。
これかなり希少価値が高くて、最後には久留里線の代名詞のようになっていた車両と記憶しています。
何と言っても、他にはほとんど例がない構造のドアが目を引きます。
開いたドアを戸袋に収めるのではなく、車体の外側にそのまま吊り下げるという斬新な見た目が特徴です。車体の強度を合理的に確保するのが目的だったそうです。


せっかくなので、久留里線に乗った2010年7月31日の写真です。ブログを始める前のことで、発信する機会がなかったやつです(
このとき乗ったのはキハ37+キハ38の編成でした。どちらもこれはこれで当時から相当レアな車両でしたね。
どちらも既にJRからは姿を消していて、日本国内には岡山の水島臨海鉄道にキハ37が3両、キハ38に至ってはただ1両だけ残るのみです。
この週で桜もラストチャンスかなという感じでしたね。
線路のすぐ脇に植えられた桜並木は、既に次の季節を予感させる葉桜の姿を見せ始めていて、乗客からも時折歓声があがっていました。

大原から40分弱で、大多喜に到着しました。
ちょっと休憩がてら観光に繰り出すことにします。続きは次回。
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