
川内からは肥薩おれんじ鉄道に乗り換えて、かつての鹿児島本線ルートを引き続き辿っていきます。
旧国鉄/JRに時々ある、ホーム上に改札と窓口を作って仕切られたパターンですね。
青春18きっぷのシーズンになると、この会社では「おれんじ18フリーきっぷ」というものが売られています。
当日に使っている18きっぷを提示することで、通常の1日乗車券が2,880円のところ、かなり安くなって2,060円で購入できる、九州の18きっぱー御用達の1日乗車券です。
※価格はいずれも2019年増税前のお話です。
鹿児島中央からここまでまさしく18きっぷで来ていますから、もちろんそれを行使して買い求めようと窓口に入ると、なぜか普通の1日乗車券が1,500円という強烈な価格破壊で売られていました。夏休みキャンペーンらしい。
肥薩おれんじ鉄道の1日乗車券、夏休み企画で2880円→1500円に値下げ中らしい
— うるっち (@UltraGreenCar) July 30, 2018
おれんじ18フリーきっぷにすら500円も勝るとかどんな価格破壊やねん( pic.twitter.com/a1qSXqVl7U
あの、ここ普通に乗ったら2,620円かかるんですよね…。どんな勘定でそこまで値引いてんですか(
ということで、18きっぷを見せることもなく大変お得な権利を得てしまいました。

肥薩おれんじ鉄道は、発足時に鹿児島県と熊本県が合同で1つの第三セクターに出資した珍しい事例です。少なくとも新幹線の並行在来線関係ではここだけだと思います。
結果として、この先県をまたいで熊本県に入り、八代まで100kmを超える比較的長い路線になっていて、途中までの区間運転もちらほら設定されています。普通に地図埋め込むとこれだけ縮尺小さくしないと入りませんでした(

これから乗るのも途中の出水行きの列車です。出水はまだ鹿児島県。
路線設備上は電化されていて、今も貨物列車が電化設備を使っているものの、費用の観点から旅客列車は三セク転換後に気動車が投入されているのが特徴。

乗ってから15分もすると、早くも車窓はオーシャンビューになってきました。

昔の特急「つばめ」って、都市間特急でいながらこんな贅沢な車窓を味わえていたんですね…。
新幹線に乗ると、こんなに広々としたオーシャンビューが楽しめる区間に思いを馳せるのはなかなか困難です。
新幹線からも、ごく短い明かり区間から一瞬海が見えることは見えるのですが、タイミングを事前に知っていないと注意を払うことはままなりません。
裏を返すと、カーブも多い区間をどうにかメインルートとして運用していた時代から、山を一直線に貫く新幹線の時代へ移行したことは、まさしく革命的だったことが分かります。南側を7年も先行開業させた意義が見えてくるというものです。

雲は少し多かったものの、夏らしい青々とした色が車窓には広がり、これを涼しい車内から見渡せる贅沢に浸ることができました。

12:29、出水に到着。

すぐに隣のホームに待機している八代行きに乗り継いで、ようやく熊本県へと入っていきます。

しばらく新幹線の高架と並行します。定期列車は毎時2~3本程度の区間のため、並走さえすれば走っていく姿が見えるというほどではなく、これはダイヤ次第。

県境を越えて水俣に到着。
最近は駅舎の改築も進められているようですね。水俣駅も2015年に建て替えられたとのことで、小綺麗になっています。

一気にカーブする在来線と、ひたすら真っすぐ伸びる新幹線が対照的な写真が撮れました。
海の透明度、これは期待値を遥かに超えて素晴らしかったですね。

オーシャンビューは八代到着間際まで、ほぼ全区間にわたって楽しむことができました。
終盤には向こうに天草の島々が連なって見えるようになり、これもまたこの地域ならではの特徴的な車窓として楽しめます。

13:59、終着の八代に到着し、これで肥薩おれんじ鉄道は完乗です。
2時間半かけてじわじわと抜けていくダイヤは、結果的に美しい車窓によくマッチした姿だと感じました。
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