※2016年3月22日更新
★特例中の特例!特急列車に乗れる区間?★
「18きっぷで特急列車には乗れない」。
あれほど繰り返した文言を少しだけひっくり返す時が来ました。
一応逃げとして、小さい文字で「ほぼ」とつけておいたのですが、今回はその特例中の特例、特急列車に乗れる区間について紹介したいと思います。
早速ですが、特例中の特例として、18きっぷで特急列車に乗れる区間をすべて先に挙げてしまいます。
北から順に3つ!
①新夕張-新得(石勝線)
②新青森-青森(奥羽本線)
③宮崎-宮崎空港(日豊本線・日南線・宮崎空港線)
特例とは言え、結構重要な区間が含まれています。
それぞれ両端の駅名だけでもいいので、最終的には丸暗記してしまいましょう。
これらの区間だけは、特例中の特例として、18きっぷだけを使って特急列車に乗ることが認められています。
特急券も不要です。18きっぷだけでOKです。
なぜ、これらの路線ではこんな特例が認められているのでしょうか。
まず①「新夕張-新得」。
これはごく単純な話で、この区間、普通列車が1本もないんです。ゼロ。
えっ!?そんなことがあっていいのかとw
しかしこれも合理化の産物です。
元々特急でスルーしていくような他所の利用者は、普通列車があってもなくても別にどうだっていいかもしれません。
しかし、これでは地元の利用者は、ちょっと列車で出かけるだけでも運賃+特急料金のダブルパンチを食らう羽目になってしまいます。
「本当は普通列車で構わないのに…」という声も当然出てくるでしょう。
これではさすがにマズいので、この区間の範囲内であれば、特急料金免除で運賃だけで乗れる特例が作られたのです。
18きっぷの特例は、これにあやかった形ですね。
この区間には、主にウィンタースポーツを楽しめるリゾート施設「星野リゾート トマム」の最寄り、トマム駅があります。
なお、かつて「津軽海峡線」として運行していた在来線は、2016年に定期列車が廃止されたため、この区間に絡む特例も削除されました。
その役目を引き継ぐ北海道新幹線ですが、18きっぷ単体で乗ることはできません。
青函トンネルを通るには、18きっぷに加えて、18きっぷと同時に発売される「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」(1枚2,300円)が必要となります。
このオプション券を買うと、北海道新幹線 奥津軽いまべつ-木古内と、道南いさりび鉄道 木古内-五稜郭が、「18きっぷ+オプション券1枚」で片道1回通り抜けできるようになります(つまり、オプション券1枚で奥津軽いまべつ-五稜郭を片道移動できる)。
北海道新幹線は全車指定席ですが、普通車指定席に空いている席があれば自由に座って構いません。
ただし座席指定はできないので、満席の場合は立ち乗りとなります。また当然ながら、グリーン車・グランクラスは一切利用できません。
青森県側では、互いに隣接する「津軽二股(津軽線)↔奥津軽いまべつ(北海道新幹線)」で乗り換えとなります。
次に②「新青森-青森」。
この区間は普通列車がないわけではなく、ちゃんと何本も走っています。
これは新幹線が発着する新青森駅と、青森市の中心部に位置する青森駅とのアクセスの利便性を向上させるため、東北新幹線全線開業時に設定された特急料金免除の特例にあやかったものです。
特例施行後しばらくは、18きっぷはこの特例の対象外だったのですが、2012年夏季から新しく特例の対象に含まれました。
たった1駅とは言え朗報ですね。
最後に③「宮崎-宮崎空港」。一気に九州に飛びます。
この区間もちゃんと普通列車も走っていますが、やはり特急料金が免除される特例があります。
言うまでもなく、宮崎市内と宮崎空港とのアクセス向上を図ったものです。
特例の存在意義は対・宮崎空港ですが、宮崎空港に行かない日豊本線の特急「きりしま」や日南線の特急「海幸山幸」も、この区間の範囲内なら18きっぷで乗れます。
超重要な注意点!
18きっぷでこれらの特例を受けて特急に乗る場合、絶対に守らなければならないことが2つだけあります。
Ⅰ.普通車自由席を利用すること!
Ⅱ.特例区間の範囲から1駅たりともはみ出さないこと!!
Ⅰですが、必ず普通車自由席を利用してください。
グリーン車はもちろん、同じ普通車でも指定席に乗ってしまうと、この特例を一切受けられません。
※③に関しては若干異なりますが、次回説明する必要がある部分なので一旦飛ばします。
特に強調したいのはⅡです。
絶対に『1駅たりとも』はみ出さないでください。
もし1駅でもはみ出てしまうと、特に①・②のケースでは特例区間を含めた全区間の運賃+特急料金を請求されます。
旅の疲れにリクライニングの心地よさとあいまって、うっかり寝過ごさないよう十二分に気をつけてください。
特例とは少し意味合いが違いますが、『特急列車が途中から普通列車に変わる』、また逆に『途中まで普通列車として運転する特急列車』という変わり種が存在します。
こうした列車は当然ながら特急用の車両で運転されますが、普通列車として運転される区間はもちろん18きっぷで乗車できます。
車両の姿に惑わされず、時刻表でしっかり確認してください。
東室蘭-室蘭 (室蘭本線) | 札幌-東室蘭で特急「すずらん」として運転される列車が普通列車に変身。 |
勝浦-安房鴨川 (外房線) | 東京-勝浦で特急「わかしお」として運転される列車が普通列車に変身。 |
牟岐-海部 (牟岐線) | 徳島-牟岐で特急「むろと」として運転される列車が普通列車に変身。 |
このほか、時刻表で見る限り何の変哲もなさそうな普通列車でも、「車両を送り込むついで」「昔の運用の名残」などの理由で、特急用の車両を使って運転されるピンポイントな普通列車が全国各地にあります。
興味のある方は探してみてください。
今回は「特急に乗れる特例区間」から、「特急のような普通列車」まで紹介してみました。
こうした列車は18きっぷユーザーの間で「乗り得列車」と呼ばれ、乗り換えを重ねる長旅において重宝がられています。
一見特急のように見えても、時刻表や行先表示に「普通列車」と書いてあれば立派な普通列車なので、安心してどんどん利用してくださいね。
なお、最低限書かなければいけない解説はあと3つ前後だと考えています。
優先順位等考えつつ書いているところです。公開までしばしお待ちください。
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