※2015年3月14日更新
★えっ?こんなの乗れるの?★
①JRじゃない!でも乗れる!
①JRじゃない!でも乗れる!
さて、18きっぷで乗り降り自由になる対象路線がJRの在来線ということは、すでに解説した通りです。
しかし、JR以外に、特定の条件で特別に18きっぷが使える区間を持つ会社が、全国に3つだけ存在します。
1.青い森鉄道(青森県):八戸-野辺地-青森
2.あいの風とやま鉄道(富山県):富山-高岡
3.IRいしかわ鉄道(石川県):津幡-金沢
その条件は、「太字で書いた駅同士で乗り降り・乗り換えする場合に限り、18きっぷで乗れる」というものです。
これらの特例区間で、乗る駅・降りる駅たとえ片方でもこれら以外の駅を利用してしまうと、この特例は一切無効です。
この場合、利用した全区間の運賃を支払わなければなりませんので、十分注意してください。
いずれの路線も、全区間が特例区間に含まれているわけではありませんので、特例の内容はしっかり確認してください。
なぜ、このような特例があるのでしょうか。
ここでは、最も早くこの特例がスタートした、青い森鉄道を例に説明します。
青い森鉄道線のうち、八戸-青森が開業したのは2010年です。
「開業」と言っても、新たに線路が敷かれたわけではありません。
そもそもこの区間は、2010年まではJRの東北本線でした。
東北新幹線が開業する際、JRがこの区間で新幹線と在来線の両方を運営・維持することは財政上難しく、
新幹線開業と引き換えに、在来線を新たな会社に引き渡すことが以前から決まっていました。
同じ事例は全国各地にあり、今後もこのような路線が増えていくことになっています。
そこで「開業」したのが青い森鉄道。
2002年に最初の区間である目時-八戸が開業し、その後2010年に八戸-青森を新たに引き継ぎ、全線開業となりました。
さて、「同じ事例が全国各地にある」にも関わらず、なぜこの路線だけに特例があるのでしょうか。
青い森鉄道線周辺の路線図に答えがありました。

黄緑がJR線(新幹線は省略)、水色が青い森鉄道線、青色がこれまた別会社のIGRいわて銀河鉄道です。
よく見ると、黄緑のJR線のうち、大湊線と八戸線が、他のJR線から完全に孤立しているのがお分かりいただけるでしょうか。
※この図では花輪線も孤立しているように見えてしまいますが、大館で奥羽本線に接続しているので孤立はしていません。分かりにくくてごめんなさい。
つまり、他所から大湊線と八戸線にたどり着くためには、必ずJR以外を使わなければならないのです。
このままでは、せっかく18きっぷがJR全線1日乗り降り自由なのに、そこまで/そこからのアクセスに別運賃を支払わなければなりません。
そこで、この2路線を利用する人のために、この3駅同士だけはスルーで利用できるようにしようという、親切な取り決めがなされたわけです。
とは言え、乗り換えのためでなく、列車を降りて駅の外に出るのも、この3駅に限ってはOKです。
青い森鉄道の駅であると同時にJRの駅でもあるわけですからね。
他の2例も、経緯としては青い森鉄道と同様です。
まず、氷見線・城端線が他のJR線から孤立しているため、あいの風とやま鉄道の富山-高岡を、途中駅で乗り降りせずに利用する場合に限り、18きっぷで乗ることができます。
同じく、七尾線も他のJR線から孤立しているため、IRいしかわ鉄道の津幡-金沢を、途中駅で乗り降りせずに利用する場合に限り、18きっぷで乗り降りすることができます。
なお、あいの風とやま鉄道とIRいしかわ鉄道の特例区間はかなり近い位置に設けられていますが、お互いの特例区間にまたがって乗ることはできません。
具体的に言うと、高岡-津幡には何の特例も設けられていませんので、1駅でもこの部分にはみ出してしまうと、その時点で乗車した全区間の運賃を支払わなければならなくなります。
うっかりミスしやすい箇所と思われますので、旅程を立てる際には十分注意してください。
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