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鉄道乗りつぶしや聖地巡礼(アニメ舞台探訪)をライトに楽しむ、うるっちのブログです。

※2014年7月5日更新
★指定席券を"獲る"★

前回に引き続き、「ムーンライト」特集です。


…その前に、大事なことを書き忘れていました。

「夜行列車」と言うと、もしかすると、とりあえず2段か3段のベッドがあって、向かい合った人と夜通し語らう…みたいな、某推理小説系のドラマにありがちな情景をイメージする方もいるかもしれません。

しかし、「ムーンライト」はそういう列車ではなく、ごく普通の、一昔前の特急用車両を使っています。


つまり、ただの座席です。雑魚寝ですらありません。
もちろん座席はある程度リクライニングできますが、当然車内販売なんてありませんし、照明も落ちません(ここ重要。各自対策を)。

慣れないうち、また体質によっては一睡もできない覚悟が必要かもしれません。
私も5回以上は乗っていますが、それでも1時間眠れれば御の字です。



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「ムーンライト」は全車指定席のため、18きっぷで利用する際には必ず指定席券をセットで用意しなければいけない、ということは既に書きました。

今回は指定席券の確保に関するあれこれの解説です。


Ⅰ.指定席券はおいくら?

「ムーンライト」の各列車の指定席券は区間に関係なく、どこからどこまで乗っても520円均一です。

高速バスとは違い、「この駅は乗車専用、この駅は降車専用」のような縛りはありません。どこから乗ってもいいですし、どこで降りても構いません。
極端な話、「ムーンライトながら」に東京~品川だけ乗るのも全く問題ありません。
ただし、どんなに短い区間でも、指定席券は必ず必要です。


で、520円均一ということになると、「ながら」で言えば、

当日どうするか分からんけど、とりあえず端から端の「東京→大垣」で買っておいて、途中から乗ったり途中で降りたりすれば良くね?

…という発想に至るわけですが、これは規則的に問題ないのか、ということについて。


結論を申しますと、「厳密にはグレーの可能性があるが、事実上ほぼシロです。

「グレー」の根拠は、JRが旅客の輸送に関する様々な事柄を規定している「旅客営業規則」のうち、以下の2つの条文です。

第173条 指定席特急券は、これを所持する旅客が、その指定の乗車駅で乗車しない場合は、他の旅客にその座席又は旅客車を指定して急行券の発売をすることがある。この場合、指定駅で乗車しなかつた旅客は、当該急行券に指定された座席を請求し、又は旅客車に乗車することができない。

第182条の5 第173条又は第174条の規定は、座席指定券によつて指定駅から乗車しない場合又は座席指定券が無効となる場合に準用する。

まとめて翻訳すると、

「切符に書いてある乗車駅からあなたが乗ってなかったら、その切符をナシにして発売しなおす場合があるよ。もしその席が売れて、あなたが持ってる切符の席に他の誰かが座っても、あなたは文句言えないから気をつけてね。」

ということになります。

ただ実際問題として、この規則を根拠に再発売されることはほぼ皆無のようです。

それどころか、現実はこうです。
私は一度、この規則の適用が不安だったので、念のためみどりの窓口に変更を申し出たことがありました。
すると、「え?いいよいいよ、途中から乗っても」との返答。
結局変更せず、当日も全く問題なく乗車できました。

別々の車掌さんにも何度かこの件について尋ねてみましたが、毎度「特に問題ない」との返答でした。

まぁ結局、ひょっとしたらいるかもしれない東京→品川みたいな人への良心に関わってくるかな。

ということで、事実上シロだけど、グレーかもしれないよ、できれば乗る区間通りに取るべきだよ、ということは、知識として知っておくに越したことはなさそうです。



Ⅱ.どうやって買うの?

18きっぷと同じように、みどりの窓口や、旅行代理店などで買うことができます。
もちろん、「ムーンライト」に乗る駅の窓口でなくても構いません。日本全国どの駅のみどりの窓口でも買えます。

さて、肝心の発売日について説明します。

指定席券の発売は、列車の始発駅時点の日付の1ヶ月前の、午前10時ちょうどからです。この条件はみんな同じです。
つまり、乗る駅の日付とは限りません。
東京8月1日発の「ながら」に、日付が2日に変わっている名古屋から乗るとしても、発売日は7月1日です。
この辺は購入時に確実に、絶対に間違いがないように慎重にやってください。
(例:「○○駅を△月×日に出る『ながら』を…」)

前の月に同じ数字の日がない日付は以下のようになります。せっかくなので18きっぷシーズン外の日付も載せました。

乗車日発売日
3月29日平年:3月1日
うるう年:2月29日
3月30日3月1日
3月31日
5月31日5月1日
7月31日7月1日
10月31日10月1日
12月31日12月1日


ここで、「条件はみんな同じ」と書いたことについて補足しておきます。

飛行機の「なんちゃら割」の影響なのか、よく勘違いされるのですが、そもそも鉄道の切符に「予約」という概念はありません

…と書くと、「は?えきねっととかe5489とかあるじゃん」というツッコミを受けそうなんですが、正確には飛行機の搭乗券のような「予約」の概念が存在しない、ということです。
あれは切符を手配する作業を予約する」と言う意味であって、「座席を確保する予約」ではありません
つまり、その時点では座席確保が確約されるものではないのです。

全国のJRの列車の切符の発売は、「マルス」と呼ばれる巨大なネットワークシステムによって一元的に管理されています。
みどりの窓口で職員の方が叩いているあのコンピューターは、この「マルス」にアクセスして発券作業を行っているわけです。
JR広しと言えど、同じ座席のダブルブッキングが回避されるのは、このシステムのおかげなんですね。

で、このシステムの仕様上、どんな手段を使っても、1ヶ月前の午前10時より早く切符を確保することは絶対に不可能です。

要するに、JRが「予約」として行っている各種サービスは、切符の発券作業の事前受付をしているに過ぎないということです。
この手のサービスでどんなに早く受け付けたところで、1ヶ月前の午前10時を迎えるまでは何もできないのです。

よって、会員登録の有無などに関わらず、指定席券を確保できる率という意味では、条件はみんな同じなんです。

※ある意味での例外が、旅行会社のツアー商品。
これは旅行会社がJRと約束をして、ツアー商品として売り出す枠数を確保するので、旅行会社側では1ヶ月前より早い段階で発売することができます。


ちなみに某駅の職員さんに雑談ながら聞いてみたところ、やはり「『えきねっと』は特に有利にはならないですね」とのことでした。


これでは「えきねっと」のネガキャンにしかならないので、何のために事前受付サービスがあるのか補足しておきますと、窓口に並ぶストレスを軽減するため、というのが主な「売り」です。

※注意※
指定席券のダフ屋行為は違法です。2008年に逮捕者が報道されました。
ダフ屋行為は言わずもがな、ダフ屋から買うのも絶対にやめましょう。



補足。

窓側・通路側、また車両の端っこ・真ん中など、座席の位置に関して希望がある場合には、購入時に窓口の職員さんに伝えれば、空席に余裕があれば基本的には応じてもらえます。
「街の明かりを眺めたいから窓側」とか、「トイレに立ちやすいから通路側」とか、ご自身のスタイルに合わせて選んでみてください。

ちなみに、他社はどうなのかちょっと分かりませんが、少なくともJR東日本の指定席券売機では、座席表を見ながら、空いている好きな座席を自分で選べます。
ただ、指定席券売機での発売開始は、1ヶ月前の10:20で、窓口より20分不利になってしまいます。
この間に売り切れてしまうこともままあるので、どうしても外せないときは窓口に並ぶことをおすすめします。


あと、指定席券自体の発売日は列車の始発駅基準なのに対し、えきねっとでの発売日はなぜか乗車駅の日付基準になってしまっています。
乗車駅を日付が変わった後の駅に設定すると、日付が変わる前の駅に設定するより発売開始が丸1日遅くなってしまうのです。同じ列車なのに。
これ、ものすごく致命的な設計ミスだと思うんですが、もう数年にわたって一向に直る気配がありません。システムの欠陥のせいで泣きをみることがないよう十分注意しましょう。


Ⅲ.なんで発売時刻まで厳密に解説するの?

「ムーンライト」の集客力をナメてはいけません。

大真面目に、発売日の10:01には売り切れている、なんてこともザラです。

特に金・土曜発車分は、足の速さが半端ではないプラチナチケットと化すようですね。運を天(マルス)に任せる他ありません。

いずれも、やはり下りの方が競争率が高いですが、上りもなんだかんだで埋まります。
「本日満席となっております」の放送を聞かなかったためしがないです。


なお、空席状況を調べるには、JRサイバーステーションが便利です。
利用可能時間が6:30~22:30の間に限られていますが、すでに発売されている列車の空席状況を確認することができます。
これを見た段階で×がついていたら、発車日までひたすらキャンセルを待つか、諦めて日付・プランそのものを再検討するか。
購入前の参考としてください。
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