※2014年7月5日更新
★途中から使え!スタンプ温存法★
ムーンライト特集が続きます。
今回はムーンライトを使う際、18きっぷをできるだけ無駄なく使う方法について考えてみたいと思います。
Ⅰ.「ムーンライトながら」での温存法
①下りの場合
おなじみAさんは、東京から「ムーンライトながら」を利用して西へ向かおう!という計画を立てました。
さぁ、出発の8月1日夜。指定席券もゲットしたし、あとは18きっぷと指定席券を引っさげて乗り込むのみ。
さっそく東京駅の有人改札でスタンプをちょーーーっと待った!
ここで、何も考えずにスタンプを押そうとしてはいけません。
いや、いけないことはないですが、おすすめしません。
現在のダイヤでの下り「ながら」の時刻を見てみましょう。

ここでおさらいです。18きっぷのスタンプ1回分の効力は、「24:00を過ぎて最初の停車駅まで」でしたね。
下り「ながら」は小田原で日付が変わります。これを「日付変更駅」と呼ぶことにします。
ということは、もしAさんが東京の有人改札で8月1日のスタンプを押したとすると、このスタンプが使えるのは東京から小田原までということになりますよね。
小田原から先は8月2日のスタンプを使うことになります。
もう一つおさらい。18きっぷの価格はスタンプが5回分ついて11,850円、つまり1回分あたり11,850÷5=2,370円。
で、東京から小田原の運賃はいくらか調べてみると、これが1,490円なんですね。
これが何を意味するか。
そう、もし8月1日のスタンプで東京~小田原を乗ってしまうと、単純計算で2,370-1,490=880円損をしてしまう!
「18きっぷはいつだってお得」と無意識に思い込んでいると、いつの間にか損をしてしまう場合もあるんです。
では、損をしないためにどうすればいいか?
はい、話は簡単ですね。東京~小田原の1,490円の乗車券を別に買って、「ながら」に乗り込めばいいんです。
注:「ながら」の車内では精算が出来ないので、SuicaなどのICカードは使わないで下さい。必ず紙の乗車券を買います。
こうすれば、18きっぷのスタンプは小田原から先、8月2日の1回分で済みます。
何も考えずに8月1日のスタンプを押した場合と比較すると、1回分「温存」できたことになりますね。
もっとも、8月1日の昼間、東京に来るまでに18きっぷを使ってきた場合や、今後の旅程で18きっぷトータルの元が取れることに絶対的な勝算がある場合は、8月1日のスタンプを押しても構いません。
しかし!!このスタンプ温存技にはさらなる奥の手があります。
それは、「ながら」にあえて東京から乗らないという技。
言い換えると、「『ながら』の日付変更駅まで別の列車で先回りする」という技です。
出発は東京都心。「ながら」の日付変更駅は小田原。
関東の鉄道に詳しい方ならピンと来たのではないでしょうか。
そう、小田急線!箱根行くなら小田急。CMでもおなじみですよね。
そして、この小田急線の起点は新宿です。
小田急線の新宿~小田原の運賃は880円!安い!
JRの東京~新宿の運賃200円を足しても、計1,080円!
東京~小田原のJRの運賃と比べると、1,490-1,080=410円安く、小田原まで先回りできるのです。
小田原に0:31までに着ける列車の時刻を調べてみると、平日と土休日で若干違いますが、東京を22時ちょい過ぎに出る必要があります。
ただスタンプを温存するだけでなく、温存の対価もさらに安くできる、一石二鳥の技と言えます。
…と、ここまでオーバーに書いておいてなんですが、小田急を使う技ぐらいは、ぶっちゃけそこら辺のハウツー本にも大概書いてあります。
せっかくなので、ここではもう一つ、温存法を紹介しておきたいと思います。
東京まで行くのもなんだし、かといって新宿にアプローチするのにもかえって高くついてしまいがちな所から、「ながら」より先回りする方法。
対象は主に、東京23区南部や神奈川県東部の方になると思います。
カギとなるのは、東海道本線下り、東京22:52発の熱海行き(列車番号945M)です。これより早くても遅くてもいけません。
この列車は小田原0:18着。東京から熱海までの最終列車であり、小田原から「ながら」に乗り継げる最後の列車です。
さて、時刻表を見ると、この列車の日付変更駅は大磯です。
もうお分かりでしょうか。
つまり、乗車駅~大磯の乗車券を買って945Mに乗り込み、大磯からは8月2日のスタンプで移動する、というわけです。
この技を使う際は、『(乗車駅~小田急乗り換え駅)+(乗り換え駅~小田原)』と、『乗車駅~大磯』のどちらが安いかを比較する必要があります。
ちなみに東京~大磯の運賃は1,140円なので、小田急経由の1,080円に及びません。
京急沿線に住む私は、京急で横浜まで出て、横浜で大磯までの乗車券を買って945Mに乗り、小田原へ向かうのがお決まりです。
あらかじめ最後尾の車両に乗っておき、大磯を発車した後で乗務員室の扉をノックし、大磯までの乗車券を見せた上で車掌さんにスタンプをお願いしています。
②上りの場合
上り「ながら」の日付変更駅は豊橋です。
大垣~豊橋の運賃は1,940円。やはり、大垣~豊橋の乗車券を買って「ながら」に乗り込み、スタンプを温存するのがベターでしょう。
さらに安さを追求するならば、岐阜駅から名鉄岐阜駅まで歩き、豊橋まで名鉄で先回りする方法もあります。
大垣~岐阜が240円、名鉄岐阜~豊橋が1,470円、計1,710円です。岐阜駅から名鉄岐阜駅までは徒歩10分弱です。
Ⅱ.「ムーンライト信州」での温存法
「信州」の日付変更駅は立川です。
新宿~立川の運賃は470円。
新宿~立川の乗車券を買って、新宿から「信州」に乗り込むのがベターでしょう。
私鉄技を検討すると、京王線の新宿~京王八王子の運賃が360円ですから、これで八王子から「信州」に乗り込むのはアリでしょう。
ただし、京王八王子駅から八王子駅まで歩いて10分弱かかるので、少し余裕を持って向かってください。
いかがだったでしょうか。
ムーンライトを利用する際は、工夫次第で18きっぷのスタンプを温存することができること、また温存法にも奥の手があることを頭に入れておいてもらえればと思います。
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